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第二層の意識

これから新しい時代を迎えるのに当たり、

最も必要とされるのは

おそらく「意識の変容」だ。

人々の意識が変容することで技術革新が起こり、社会の体制が刷新されていく一連のプロセスは、

思想家のウィルバーが著書の中でそのメカニズムを、学術的見地から詳細に述べている。

「第二次産業革命」あるいは「波動革命」を目前に控え、

社会の体制が抜本的に改革される時代の過渡期に

現代の我々は生きている。

産業革命による工業化を通じて、

人類はエネルギーの供給源を「薪」→「石炭」→「石油」とシフトさせてきたが、

今起こりつつある第二次産業革命(波動革命)は、

このエネルギー問題を抜本的に変えてしまう。

「フリーエネルギー」の発明により、

ほぼ0に近いコストでエネルギーを生み出すことで、

生活コストが今よりも段違いに低くなる。

昨今言及される「ベーシックインカム」の問題も

こうした技術革新と歩調を合わせ、

最初は「給付金」という名目で各家庭にお金を支給することで、

これから段階的に制度化されていくだろう。

ほとんど働く必要がなくなるわけだが、

こうして人々が「自由」になると

これまでの「人為的なピラミッド構造」が一掃され、

本来の「自然な階層構造」が立ち上がる。

働く必要がなくなれば、

お金を得るのにイヤなヤツに頭を下げる必要もなくなるので、

これまで権力にものを言わせ威張っていた者からは

どんどん人が離れて行く。

「お金を得るため」だけの理由で成り立っていた関係は、

ベーシックインカムの到来と共に廃れ、

結果として人為的なピラミッドが崩壊する。

企業(経営側)も給与を支給することで従業員の生活を保障する必要がなくなるので、

ベーシックインカムが制度化されると「リストラ」もどんどん増えるはず。

ひっくるめて言うと、

第二次産業革命(波動革命)により社会の体制が一新されると、

各個人が「自分の好きな人」とだけ付き合うようになるだろう。

これは「新たな階層化」の始まりであり、

先に「人為的なピラミッド構造」が崩壊し

「自然な階層構造」が立ち上がると言及したのは、

このことに由来する。

スピリチュアルの世界では「二極化」という言葉が流行っているが、

「二極化」とはより正確に言うと「多極化」であり、

それはつまり「階層化」に他ならならず、

各々が自分に見合ったレイヤーへ収まることになる。

「3次元」「4次元」「5次元」と、

宇宙そのものが「階層構造」に拠っていることから、この世界に「平等」はあり得ず、

ウィルバーは、こうした「自然な階層構造」を「存在論的階層構造」と呼んでいる。

第二次産業革命(波動革命)はおそらく「教養格差」を起こすだろう。

「好きな人とだけ」結び付く時代は、

個々が持つ「魅力」によって

交友関係が決まってくる。

「魅力」の正体は何かと言うと

それはたぶん「人間性」で、

「人間性」は大体のところ

「教養」によって決まってくる。

「教養」の定義は色々あるが、

私の考える「教養」は

「人間に関する深い理解」

「人間の理解」は「自分を知る」ことと同じだろう。

自分自身と深く向き合った分だけ、

他者とも深く付き合える。

「自分を知る」とは身のほどをわきまえ、

自他の領分を区別することでもあるだろう。

新たな時代を迎えるのにあたり

スピリチュアルブームが起こっているが、

人間の可能性は無限大
思考は現実化する
願えば何でも叶う

こうした「一人よがり」の発想は

「子どものスピリチュアル」でしかない。

これらの発想に欠けているのは「全体観」で、

社会の中における自分自身の「役割」や

果たすべき「義務」についての自覚が

まったくもって欠けている。

当たり前だがこの世界で生きていくには、

「権利」と「義務」のバランスを取らねばならず、

全体的見地から求められる自身の役割を自覚した上で

臨機応変に対応していかねばならない。

現代スピルチュアルはこうした「全体観」や「大局観」に疎く、

口を開けば

「どんな夢も願えば叶う」とか、
「誰でも億万長者になれる」とか、

一人称の視点(主観的発想)でしか語られない。

ただ「億万長者になりたい」と願ったところで

そんなの無理に決まっているのは、

子どもでも分かる道理だろう。

「億万長者になりたい」と強く望み行動を起こした上で、

それが大局的観点から見ても妥当であると認められた時、

初めてそれが現実のものとして実現する。

「億万長者になる」とは

それ相応の責任や義務を負うことでもあり、

こうした「大局的」「俯瞰的」「全体論的」視点が欠けていては、

これからの時代に充実した人生を送ることなど出来っこない。

個人としての夢やビジョンをはじめとする「一人称の視点」と、

全体的見地から見た際の役割や義務を直観する「三人称の視点」。

「微視的な視点」と「巨視的な視点」。

例えば、木と森を同時に観るような双方向の視点が、

これからは不可欠となるだろう。

発達心理学の世界では

このような意識を「ビジョン・ロジック」と呼び、

来たるべき新世界における必要不可欠な資質として

その重要性を挙げている。

ビジョン・ロジックに代表される

こうした双方向の意識を「第二層の意識」と言ったりするが、

その獲得には以下の3つがポイントになってくるだろう。

◆分からないものを分からないままに出来る強さを持つ
◆好きなことをする
◆部分と全体の関係を把握する

次回以降、

これら3つの中身について

その詳細を論じたい。

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