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統合医療における「基礎医学」の重要性

 統合医療学会での基礎医学(解剖生理)の講義が近づいてきました。毎年のことながら、準備は一苦労です。基礎的と言いながらも、すべての基礎知識を正確に維持しているかというとかなり怪しいのですが、未学習者や学生さんと違うのは、調べるべきところが分かっていること、それと何を忘れているかを知っていること、でしょうか。

 これは代替医療を扱う統合医療領域において、じつはとても大切で、どこがいわゆる現代医療の盲点、ないしはニッチなのか、ということを把握するということでもあるのです。通常の医療を行っている際にはどこが盲点になるのか、また、代替医療を扱っていると逆にどこが盲点なのか。それらは往々にして表裏一体です。図と地の関係、と言っても良いかもしれません。

 それゆえに統合医療、代替医療を扱う際には、通常以上に基礎医学的な知識を気にしなければならないと思うのです。伝統医療や代替医療には独自の視点があり、それゆえに通常見逃されがちな不調にも対処しやすいといった面があります。というコトは、反対に、通常の視点を見逃しやすくなっているという自覚もまた必要ということになります。

 我々、統合医療を志す者は、こうしたことにたいしてもっと意識的であるべきです。これが統合医療領域において私が基礎的知識を重視する理由でもあるのです。

からだがみえる
メディックメディア 2023-02-28


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