第108椀 田んぼの雑草コナギのお味噌汁
初出:2024年7月11日
<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから
「田んぼの雑草コナギのお味噌汁」
田んぼを無農薬で作っていますと、必ず出会うのがコナギと言う雑草です。うちにもわんさか生えてますけども、これが「食べられる」…いや「むしろうまい」と言うのを聞きまして、今のコナギはまだ小さくて柔らかそうなので、初心者には食べやすいかと思って採ってきました。
コナギは、ミズアオイと言う植物とよく似ていまして、ハート型の葉っぱが特徴の水草です。ミズアオイのことを昔はナギ(水葱、菜葱)と呼び、コナギはナギより葉っぱが小さいのでコナギ(小水葱、小菜葱)と呼んでいたそうです。
コナギとミズアオイは、稲作が伝来したときに一緒にくっついてきたと考えられています。ちなみにミズアオイは『植物版レッドリスト』の絶滅危惧種だそうです。このコナギとの違いはなんなんでしょう?
よく調べてみましたら、コナギは万葉集にも食材として詠まれていますし、江戸時代までは食べていた記録もあるそうです。東南アジアでは今でも野菜として売られているそうです。ああ、日本でも売れたら良いのに。
漢字に葱(ネギ)が使われているように、根っこもネギやセリみたいです。きっと天ぷらとかにしても食べられると思いますが今回はパスしまして、根元で切ってから塩茹でして試食しました。
おお、これはコナギ自体に味はそんなにないですが、食感はまさにネギですな。ネギの代わりに胡麻味噌和えして「ぬた」にしてみましたが、完全に肴になりますぞ。もう少し大きくなってきたら炒め物とかでも良さそうですねぇ。
そしてやはりお味噌汁ですよ。手で崩した豆腐と、下茹でしたコナギと合わせてみました。ほう、全く違和感なし!むしろうまい!なんで食べなくなってしまったんでしょうねぇ?
「田んぼの雑草コナギのお味噌汁」
出汁:昆布水
具材:コナギ、木綿豆腐
味噌:手前味噌(米麦混合麹)