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イノベーション創出の思考法 ロジカル/デザイン/アート
イノベーションの創出の思考法として、デザインやアートの思考法に注目が集まっている。今までは、科学技術によるイノベーションが主流だったが、VUCA(Volatility=変動性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性)の時代ともいわれる昨今、従来型のロジカル思考では対応できなくなってきている背景がある。
イノベーション創出のための3つの思考法(ロジカル/デザイン/アート)を概略的にまとめると以下のようになる。
ロジカル思考:
顕在的な課題を分析的に解決するデザイン思考:
潜在的な課題を共感的に見出し解決するアート思考:
課題から出発せず、自分の衝動によって価値に革新を起こす
若宮 和男『ハウ・トゥ アート・シンキング』(実業之日本社)
ロジカル思考は論理思考のことで、基本的な考え方としては、課題に対して要素ごとに分解して分析的に解決策を見出す方法である。複雑なものを整理し、シンプルにしていく思考方法である。ロジカル思考には、MECEやロジックツリーがある。MECE(ミーシーまたはミッシー)とは、日本語にすると「モレなく、ダブりなく」という意味(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取って略した言葉)。ロジックツリーは、ツリー状に要素を分解&整理していく手法だ。
米国パロアルトに本拠を置くデザインコンサルタントのIDEO社CEOのTim Brownによると、デザイン思考とは⼈を起点としたイノベーション手法であると言っている。デザイナーのノウハウを生かすことで、ニーズと技術を組み合わせて新たな価値創出を可能とする手順と思考法である。美術におけるデザインではなくソリューションのデザインを指す。
大阪大学の延岡健太郎教授によると、アート思考は、
顧客の要望に受け身的に対応するのでは なく、革新的な考え方や意味を提案して、顧客の想定を超えた喜びや驚き、そして幸福をもたらす。
としている。
デザイン思考は、ユーザーの不満の解消やベネフィットを提供することを目指し、アート思考は、自分にとっての課題の提起や大義を追求する。デザイン思考はユーザー起点、アート思考は自分起点の思考法ともいえるだろう。
今後、3つの思考法(ロジカル/デザイン/アート)を詳しく見ていこう。