カレーとワインの意外な相性

はじめに

これまでにTwitterやnoteでいろいろな料理とワインの相性のお話をさせていただいてきましたが、そのいくつかを振り返ってみると、カレーの話題に対しての皆様の反応が予想以上に大きく、私自身少し驚きました。

今ふと思い出したのが、昔子供の頃に見たテレビCMで、バーモントカレーと赤ワインを俳優さんが美味しそうに召し上がられているシーン。長い間フランス料理店でソムリエを務めてきた私にとって、家庭で食べるカレーに対してワインを合わせるという発想はなかなか出てきませんでしたが、あのシーンでのカレーとワインは、子どもながら実に自然な光景に見えたのです。

おうち時間を過ごしながら、日本でも日常的にワインが楽しまれることを臨むのであれば、もはや国民食とも言えるカレーとワインが一緒にテーブルに並ぶことに、何の違和感もないはず。

実際、フランス料理の世界においても「ソース・キュリー」という、カレー風味のソースを料理に添えていただくこともある。そしてビーフやチキンを使用した煮込み料理であるカレーは、フランスのブルゴーニュ地方やイタリアのピエモンテ州の郷土料理にもある煮込み料理にも通じるものがあります。

ということで今回は、これまでにご紹介してきたカレーとワインとの相性について詳しく解説するとともに、最近新たに体験したカレーペアリングについてのお話もさせていただきたいと思います。