スーパートスカーナ「サッシカイア」のテイスティング
はじめに
今回はこちらのワインのテイスティングコメントと解説、その印象についてお伝えしたいと思います。
こちらのヴィンテージは以前、雑誌の取材等でもテイスティングをさせていただいた経験がありますが、あらためてテイティングに向き合うことで、今回また新たな発見がありました。
サッシカイアは早い段階で飲んだとしても、長期熟成したヴィンテージを飲んだ時でも、その中心にある個性がブレることなく一貫したポリシーが存在するところにも、その偉大さを感じます。
サッシカイアとはどんなワインなのか
伝統品種を重んじてきたイタリアワインの歴史の中、状況の変化によって、1944年にフランス ボルドー地方の格付け1級シャトー「シャトー ラフィット・ラフィット・ロートシルト」から持ち込んだと言われる、カベルネ・ソーヴィニヨンの苗を作付したのがサッシカイアの始まり。
ワインの名が表すとおり、その土地はまさに、ボルドー地方のメドック地区に似た、石の多い畑であり、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適の土壌を有しています。
2016年ヴィンテージにおいて1985年以来、実に34年ぶりとなるワイン・アドヴォケイト誌にて100点を獲得したことに沸いたサッシカイア。
その歴史は非常に興味深い。リリースされた当時、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が85%を超えるワインはイタリアのD.O.C.G法上、トスカーナで認められている原産地呼称を名乗ることはできなかった。
しかしそのクオリティは突出し、高い評価を得ていく。トスカーナの規定を超越したという意味で「スーパートスカーナ」と称され、1980年代には熱狂的なブームを世界で巻き起こします。
1985年ヴィンテージは、イタリアワインで初めてワイン・アドヴォケイト誌において100点満点を獲得。その後、1994年にはついに「ボルゲリ・サッシカイア」として、イタリアでは唯一となる、単独ワイナリーでのD.O.C昇格を果たしました。サッシカイアは、国の法律をも変えてしまうほどのクオリティを誇るワインなのです。
最後までご覧いただき、心より感謝いたします🥂