コンビニエンスストアのワインと料理のペアリング術⑦
はじめに
コンビニワインペアリングシリーズの第7弾。
Twitterで展開させていただいているこちらのシリーズ。前回はセブンイレブンの白ワインをセレクトさせていただいておりましたので、今回は赤ワイン狙いでファミリーマートへ。
ワインコーナーの前でこんなに真剣な表情でしばらく立ちすくんでいる人物が、かつてこのお店に訪れたことはあるのだろうか。
高級レストランであってもコンビニエンスストアであってもセレクトする過程は変わらない。高級ワインであってもリーズナブルなワインであっても、サーヴする時の気持ちは同じ。
今回も妥協のないワインセレクトができたと自負しています。そしてそのワインから逆算して考え、合わせたお料理がこちら。
⑦チリの赤ワインと豚角煮のペアリング
そしてこのようにツイート。
至高のコンビニワインペアリング完成。ファミリーマートのチリワイン「ステラパルヴス」をセレクト。合わせて選んだお料理は「じっくり煮込んだ豚角煮」アレンジとしてパプリカとナスのソテー、パセリの粉末をトッピングすることで品種個性との相性を高める。計1,000円ちょっとでこんなにも楽しめます。
今回の赤ワインは、800円程(500ml)のとてもリーズナブルな価格帯でありながら、品種と国の個性をしっかりと感じるワイン。特にチリのフラッグシップ品種であるカルムネールがブレンドされていることから、この国にしかないキャラクターを表現しています。
豚の角煮の凝縮した旨味と煮詰めた甘いニュアンス。そして品種個性に同調させるために付け合わせとして選んだ食材が、赤パプリカとナス、そしてパセリです。
パプリカとナスの色素感のある独特のお野菜の風味、粉末パセリのほどよいグリーンフレーヴァーが加わることで、さらにマリアージュの完成度を高めています。
最後に
コンビニエンスストアからご依頼をいただいたわけではなく、ただ個人的に興味をもったために始めたこちらのシリーズですが、たくさんの方から反響をいただき、毎回楽しみながらペアリングを考えさせていただいています。
そしてこうして向き合ってみると発見がたくさんあります。何より、想像していた以上に各店のワインのラインナップが充実している。そして同じ系列のコンビニエンスストアでも、店舗によりそのセレクションが大きく違っていることがとても興味深いところです。
その中でも、レギュラーとして常に置いてある銘柄があったり、レストランのグラスワインでも供出されているようなワインがあったり、さらにはブルゴーニュやシャンパーニュ等の高額なアイテムがあったり。当然売れるからこそここに存在するわけで、考えていくといろいろな学びがあります。
そしてそれらのワインに合わせて同じコンビニエンスストア内でお料理を探してみることで、これまた興味深い品揃えであることに気づきます。
本シリーズも長くなってまいりましたが、今後も私なりのワインと料理のペアリングの楽しみ方をご紹介させていただきたいと考えておりますので、よろしければ引き続きお付き合いくださいませ。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
ではまた次回、お会いできるのを楽しみにしています。
ワインディレクター 田邉 公一
*コンビニペアリング専用のマガジンを作成致しました。よろしければフォローお願い致します🍷