ビーフストロガノフをもっと楽しむためのワイン
私がワインディレクターを務めているレストランの一つ、青山アミュゼの欧風カレーは、現在累計およそ2,000食の販売数を記録。
この欧風カレーに関しては、もはや定番アイテムとして、今後も定着していくことは間違いない。
もしコロナショックがなければ、この商品が生まれていなかったと考えると、今回の件をポジティブに捉えるための、一つの精神的な支えになった。
そんな中、第2弾として登場したのが
『ビーフストロガノフ』
今日は、こちらに合わせるワインとして、私がセレクトしたアイテムと、そのマリアージュに関してのお話。
「ルージュ・ド・タマーニュ フラワー エディション 2016」
納得がいくところまで考え抜いた結果、地球一周回って、最終的にビーフストロガノフの本場、ロシアに着地。
私が知るロシアワインの中でも、最もエレガント系と言える、こちらのワインがベストだと考えた。
昔からワインペアリングを考えるときは、頭の中に世界地図を思い浮かべることから始める。
そういう意味でも、世界中のワイン産地を旅するという経験は、とても重要になってくる。
ロシア南部のクラスノダール地方にある、タマン半島で生まれる赤ワイン。
タマン半島は、北のアゾフ海と南の黒海を分けるように東から西へ向かって伸びており、西はケルチ海峡を隔てて、クリミア半島(ウクライナ)と向かい合っている。クバン川が注ぎこんでおり、半島各地には泥火山が見られ、天然ガスや石油も埋蔵されている。
ブドウ品種は、クラスノストップ
ロシア原産で、この国を代表するブドウ品種の一つ。
ワインの色調は、明るく、輝きのあるラズベリーレッド、香りには、レッドチェリー、ゼラニウムのような華やかさ、フルーツトマトを思わせるフレーヴァーとピンクペッパーのニュアンスが、トマトベースにパプリカパウダーを使用したビーフ ストロガノフの香りと味わいを、さらに引き立てます。
煮つめた牛バラ肉の旨みとクリーミーでなめらかな味わいを、フルーティで優しいこの赤ワインが余韻まで導いてくれる。
料理とワインが渾然一体となるこの感覚。
この感覚こそが、同一エリアでのマリアージュの醍醐味であり、このことを私が「一体感のマリアージュ」と呼ぶ理由は、料理を食べ、ワインの個性に向き合い、実際に合わせたときの、このなんとも言えない安心感が、心を満たしてくれるからなのです。
それぞれの個性を充分に理解した上で、同じ性格と容姿を持つものを引き合わせるマリアージュ。
ぜひ一度体験してみてください。
*ペアリングの際に召し上がっていただくときの付け合わせは、ライス、パン、どちらも好相性です。
*ワインは15度程度で、室温よりも少し冷やしてお召し上がり頂くと、より一層、香り、味わいの個性が引き出されます。
*グラスは、丸みのあるピノ・ノワールグラスで。そのチャーミングな印象を、より際立たせてくれます。
*ノンアルコールをご希望の方には、美味しいトマトジュースとビーフストロガノフの組み合わせをおすすめしたいです。