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コテージの夜に [ショートショート]

木々に囲まれた小さなコテージに、一人で滞在している。仕事で疲れた体を癒すために選んだ静かな場所だ。窓の外は漆黒の闇で、風の音と虫の声だけが響いている。

リビングの古びたソファに腰を下ろし、備え付けのラジオをつける。少しザラついた音で、軽快なロックが流れ始めた。私は無意識に足でリズムを取り、手を空に振り上げる。

エアギターを弾く自分が、ふと鏡に映る。ドレスコードに厳しい職場とは真逆の、自分だけのリズムだ。誰にも見られていないことを確認し、さらに大きく腕を振る。

いつの間にか音楽は静かになり、ラジオのDJの声が流れた。「次の曲は、少し静かなナンバーです。」私は少し息を整え、ソファに背を預けた。

コテージの小さなランプが暖かな光を灯している。ひとりきりの夜、誰も知らない私だけの舞台は続く。

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