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【essay 17】シルエットの物語

ハッタリストです。今日は影絵劇について語りたいと思います。

子供の頃、家族と一緒にとある劇団の影絵劇(シャドウパペットショー)を観に行ったことがあります。壁に映し出された紙人形が、あたかも人間のように動き、語り、さまざまな表情を見せるものです。

当時の幼い私は壁の上で演じられる物語に夢中になり、紙人形たちが恋に落ちたり、勇敢に戦ったり、冒険に出たりするのを瞳を輝かせながら見守ったことでしょう(あまり覚えていませんが)。

劇団の彼らが使ったのはおそらく家庭用のプロジェクターと自分たちで切り取った紙人形だけでしたが、その簡素さが逆に想像力をかきたて、それぞれのキャラクターに生命を吹き込んでいました。私たちは通常、物事を表面的な特徴や色彩によって認識します。しかし、影絵劇では、物語のキャラクターやアイテムはすべて黒いシルエットとして描かれます。視覚的なディテールが省かれるため、視聴者はキャラクターの個性や物語の要素を自分の想像力を用いて補完します。影絵劇は、私たちに物語を独自の視点で解釈させ、独自の感情を投影させることで、物語をより豊かでパーソナルなものにし、視聴者と物語とをより直接的で深い関係にすることを可能にしているのだと思います。

影絵劇、それは「見る」とは何か、「理解する」とは何かについて考える機会を与えてくれました。私がどのように世界を見て、理解しているかについて反省する機会も。

もしあなたが新しい視点を探しているなら、影絵劇を観てみるのはどうでしょうか。あなたが見るシルエットの背後に何を見るか、自分自身に尋ねても面白いかもしれません。

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