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やさしい世界とは

やさしい世界とはなんでしょうか。僕は相手を尊重する世界だと思います。

やさしい世界であってほしい、と思うとき、人は何を求めているのでしょうか。
それは自分のことを尊重してもらえる場、他人を自由に尊重することができる場ではないでしょうか。

逆に、やさしく無い世界を想像すればわかりやすい。
SNSで何か発信しても謂れのない文句や批判が飛び交う、押し付けがましい意見を物申される、何か考えや意見を強制される、妬まれる、挑戦を否定される… etc.
実際にはそういうことはあちらこちらで起こっており、もしそれが無ければ、なんて快適なんでしょうか…


【今のところ僕がアメリカで居心地が良い理由】
特に居心地が良いと感じる理由が、いい意味で他人に興味がないところです。誰が何していても特に気にとめず、自分や自分の家族のことに集中している点です。そんな環境だと、相手をいちいち批判している場合ではなく、適度な距離感で「あっどうぞご自由に」という対応になる。
「私には理解できないけど、あなたはそうなのね」みたいな感じです。

サバサバしているようで、礼儀や冷静さというものが”たしなみ”として身についた印象を受けます。それは単に相手を無視したり見下しているのではなく、”尊重する”という姿勢からのふるまいだからだと思います。
共感した時は素直にものすごく共感し、共感できない時はさらっと流すか、とことん自分の意見を言う。

(なんだろう、こうありたかった、と言う世界観がこちらでは普通という感じなんです。)日本にいた時は、こういう態度の人にちょっと憧れもありつつ、一方で場を乱すと感じられることもあり、いわゆる日本人的では無い、と判断される感じだった気がします(もちろんいろんなケースがあるけど)。
でも何か意見を言うときに、相手を尊重した態度があれば、変に攻撃的になったり的外れな意見になったりしないはずですよね。

それに加えて、アメリカのフロンティアスピリットから来るものなのか、何かに挑戦する人に対しては基本的にそれを応援する傾向があります。
これこそ相手を尊重した、大人な、やさしい世界じゃ無いですか?!

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※アメリカに来てから1年半以上経っていますけど、パンデミックだったということと少ない交友範囲ということで、まだまだ僕は狭い世界で生きています。なのでアメリカのことを知ったような口は利けないのですが、限られた環境の中とはいえ日本にいる時と何か違うなという空気はやっぱり感じています。今、実際に僕は居心地の良い環境で過ごしているのです。
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前提として、引いた視点でいろんな人を平均して見ると、国が違っても、やっぱり同じ人間です。基本的には同じようなことを感じたり考えたり行動したりするんだなぁと実感しています。
でも感じ方が人それぞれ違うのはもちろんのこと、育った環境やそれまでの経験によって、少しずついろんな考え方やふるまいの違いが出てくるのは当然のことと言えます。

特にアメリカはいろんな国から人が集まっています。文化も民族の背景も全てが異なる人が隣人なんです。ついこないだ同僚6人でランチを食べに行ったら全員出身国が違いました。

一方で島国である日本は、外国からの侵略に警戒していました。それによって閉鎖的で画一的に足並みを揃えるのが伝統的な暗黙の了解になっている?
そう考えると納得できる気がするけど、いやいや今は2020年代ですよ!インターネットの普及で世界中が繋がった現代ですよ。
心の中で何を思うのも自由かもしれませんが、ふるまいの上では相手を尊重しあえる世界を構築しないといけないのです。誰にとっても、より心地よく生きるために。


【他人を変えることはできない】
何かの問題解決を図るとき、「自分でコントロールできるもの」と「自分でコントロールできないもの」を分けて考えなさい。というのが、以前僕を指導してくれていた方の教えでした。本当にそうだと思います。

僕の専門である生物学でも、数学を使って生命現象を説明することがあります。ものすごく単純な、y=2xという式があるとしましょう。xというのは変数ですね。そこに何がくるかわからないから、文字を置いてるんですね。

他人は変数です。どんな数字がくるかわからない。本当の意味で相手が何を考えているか、感じているかわからない。

一方で、自分の中で定まっている「定数」。これはつまり自分の価値観とか自分のものの考え方感じ方、と言い換えることができると思います。これは自分側の問題なので、自分で変えることができます。
自分で任意に変えることができる定数を変えるとどうなるか。当然xが同じでも、答えは変わってきますね。

他人を変えることができないと理解することは、相手に期待しないと言うことでもあります。何か相手に言いたくなるとき、相手の変化を期待しているのです。思い通りに行かなくてモヤモヤするとき、それは相手が変わってくれることを心の底で期待しているときに起こる反応です。

多少ムッとすることとか悲しいこととかネガティブなことがあっても、僕は「おめでとうございました」とボソッと心の中で皮肉を言って全て水に流します。笑

世界を認識しているのは自分の脳です。そして脳は何歳になっても神経回路を作り替えることができる能力を持っています。だったら、自分から、やさしい世界の住人になってみようじゃないですか。やさしくない世界だなと感じたら、自分もまたその世界の一員なんです。

やさしい世界はどこかにあるものじゃないんです。
自分が持つものなんです。



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