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本当の自分とは
自分とは何かを考えたときに、偽りの自分と本当の自分がいる気がしてくる。
でも本当の自分ってどこかに存在するものでしょうか。
なりたい自分になる、本当の自分はこうじゃない、自分の軸を大切にしなさい、自分探しの旅に出たい、、、
自分とは何か、みんな気になっています。
自分は何がしたいんだろう、自分はどうなりたいんだろう。
本当の自分はきっとこうだ。みんな誰しも心の中で自分を他人のように客観視することに一生懸命になります。
自分のことが一番よくわからない、なんて表現もあります。すごくわかります。
ですが、どんな自分も、”自分自身”なんです。
これは本当の自分じゃない、本当はこう言いたかった、本当はこうしたかった、、、
その本当って何でしょう。嘘偽りの自分がいるんでしょうか。でも本当の自分というのは、存在しません。
自分に嘘をつくという表現があります。果たして自分に嘘ってつけるのでしょうか。本当のことを知っている自分に嘘をつく、ってどういう状況でしょう。例えば自分のしたくないことをする、言いたくないことを言う、そんな、自分ではない何かのせいにして自分のふるまいを変えた時に感じる思いですよね。でも、それを選んだのも究極的には”自分”なんです。
それに、他人から見たとすれば、自分の考えていることはふるまいや言葉の中からしかわからない。つまり、他人から見ればその人はその見たまんまでしかないのです。それが他人から見た、”自分”なんです。
そもそも、自分とは一種類ではありません。環境によって性格も変われば言葉遣いも変わりますよね。自分とは、一つの物の様であって、実は一貫したものではないのでしょう。考え方も変わっていくし、成長もするし、気分も変わる。
だから本当の自分というものは存在せず、ただ”その時のその人”が存在するだけなんです。どんな自分も自分なんです。
だからまず何か良くないことが起こったとして、本当の自分だったら…と考えるのは一旦置いておいて、これも自分だったんだ。と認識することからじゃないでしょうか。
あの人、いつもは優しいのに怖かったね。っていう時、それはその人の別の面が現れたに過ぎないのです。
あの人、いつも怖いのに今日は優しかったね。っていう時、実は優しい人だったのかな、っていうんじゃなくて、いつも怖い人に変わりないんです。その人の別の面が出た時、それが優しかっただけであって、本当の姿も何もないんです。全てがその人なんです。
人間関係に悩んでいる人はぜひ、「人は人のことをその一瞬一瞬しか見ていない」ということを思い出していただけたらと思います。
これは自分とは何か、自分のことを内省するときにも大事な考え方ですし、他人のことを考えるときにも大事です。
本当の自分はこう、あの人はこう、、、
そうやって自分を縛ったりレッテルを貼ったり、今の自分から目を背けることは、長い目で見ると自分を疲れさせることになると思います。
だからできれば、少なくとも自分のことは、「その時その時の本当の自分なんだ」って肯定して行きたいですよね。