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会話の速度の違いを意識することがなぜ重要か

こんにちは、ミネソタより、コーイチがお届けします。
Twitterのスペース機能やmocriのようなアプリで色んな人と交流する中で、会話の楽しさや難しさを日々感じています。
会話ってなぜか、うまく話が合わなかったり、すれ違うことがありますね。これはなんででしょうか。僕は会話の速度に原因の一つがあると考えています。

会話にはギアがある

会話に関する岡田斗司夫さんのお話を以前耳にしたことがあって、ちょっと取り上げてみたいと思います。それは、「会話にはギアがある」というものでした。

会話の速度には、トントン拍子の速いものもあれば、ゆっくりしたものもある。車のギアに例えて考えると、高速だけど軽い会話、低速だけどトルクが強い会話がある。

ギアを上げていくと速度が上がっていきます。リズム良く会話が進んでいる感じですね。逆にギアを下げて会話の速度が落ちると、リズムは損なわれるものの、相手の目線に立って気持ちを汲み取ることに重きを置くことができます(岡田斗司夫さんは確か、相手の話を聞きながらとりあえず「わかります」と相槌を打って一旦受け入れ、その時点まで相手の言ってることを先回りして推測しないのが良いとおっしゃっていました)。

では、会話におけるギアとは、それぞれ一体どんな作用があるのかもう少し詳しく考えてみましょう。

速い速度の会話

速い会話では、レスポンスが重視されています。速い速度で会話するメリットがあるのは、情報のやり取りをするような場面。進捗報告、ディスカッション。
相手が言い終わる前に結論が見える時、時には先回りして話したり、聞き終わる前に返事を考え始めたりする。これはテンポの良い会話なので、単なる情報のやり取りにはもってこいでしょう。でも考えておきたいデメリットがあります。

例えば相手が話終わる前に「要するに〜」「あーこういうこと?」みたいに先回りしてしまうと、相手の本当に言いたいことを汲み取れなくなってしまう可能性があります。そもそも言葉を使って話すことによって考えが深まるので、相手のその機会を奪ってしまいます。また、頭の回転を速くすると考えはどうしても浅くなります(つまり速度と深さがトレードオフ)。

遅い速度の会話

一方で遅い会話では、まず相手の言葉を丁寧に読み取りつつ、相手を肯定してから、自分の中で納得できるポイントを探していく。レスポンスや会話の流れは遅くなるものの、その中で相手の思考の過程をなぞることができる。つまり、相手の気持ちや前提、背景を考えることができるような、余裕を持った会話なのです。

例えば男性が女性からの相談を聞くときを想像してみましょう。男性は速いレスポンスをしてしまいがち(アドバイスや説教などがこれにあたる)。女性は共感してもらいたいだけなのに、男性から求めてもないアドバイスをもらう、というようなすれ違いの構図が目に浮かびます。頭の良さや歯切れの良さの”雰囲気”を演出するには高速ギアはいいのですが、相手に寄り添う会話には不適。求められるのが共感である時は、より相手の気持ちに寄り添った低速の会話がベターということは想像に難くないでしょう。

だいたいは中速の会話に落ち着いているが…

実際には、意識していなければ、ほとんどの人は速くも遅くもない中速で喋ってしまうものです。
中速はオールラウンダーで、相手に耳を傾けつつ、ある程度の会話のテンポを維持できるからこの速度に落ち着くはずです。その人が特に意識せずに楽な速度で喋っているからですね。しかし。

もちろん人それぞれ、「中速がどれほどの速度か」は違いがあります。ひとりひとりその人の”中速”があります。
すると、みんながそれぞれ自分の速度で喋っていると、当然他の人と足並みが揃わなくなってきますね。そうすると、どちらかが無意識に速度を合わせるようになる。遅い速度の人は頑張って速い方に合わせようとするから焦る気持ちになるかもしれないし、速い速度の人はゆっくり間伸びした気分になるかもしれない。そうなると会話にストレスが生まれます。
おそらく、もともと会話の速度が近い人同士は、知り合って間もない段階でも気が合うように感じたりするのでしょう。

つまりお互いの会話のストレスを減らしつつ快適で意味のある会話をするには、3ステップあります。
1)会話には速度とギアがあるのを知っておくこと。
2)自分の会話の速度を知っておくこと。
3)相手の会話の速度を読み取って、それにできる範囲で合わせていくこと。

あとは、内容に応じて会話の速度が速い方が良いのか、遅い方が良いのかを変えていきます。

このように、会話には速度があり、それぞれの特性を理解した上で意識してギアを変えていくようにすれば、会話を円滑に進められるように僕自身は感じています。

あとがき

もちろん相手の知識背景や経験によって、話の内容の理解度は違ってきます。いくら速度を合わせる努力をしても、会話がうまく成立しないことはあるでしょう。しかし会話において重要なことは、コミュニケーションをすることです。

相手がわからないことはどこか。相手のバックグラウンドは何なのか。どうしてその考えに至ったのか。会話の速度を落としてみると、見えてくるものがあるかもしれません。

ときに事実を淡々と伝えたり、ときに相手に寄り添った会話をしたり。臨機応変に会話の速度を変えていきたいところです。

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