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旅22-未知なる大国・アルバニア
ヨーロッパで最も未知なる国、アルバニア。ずっと鎖国政策をとってたり、民主化後にはネズミ講事件&暴動。そんなことも知らない人は多く、アルメニアとの区別がつきにくい、そんな国。というか、アルバニアもアルメニアもそれほど知名度がないか。
○○系といえば、複数の国にまたがる民族の括りだ。例えばトルコ系。アゼルバイジャンは国境を接していたいもののも多くがトルコ系だし、トルコやシリア・イラク等々にまたがる、国を持っていない最大民族・クルド人も。実はアルバニア人という括りがある。アルバニア一国だけではなく、マケドニアやコソボにわたる広範囲をしめ、そして同じ赤に黒い象徴の入ったアルバニア国旗を飾る国々だ。
僕ら日本人にとって大変情報が乏しく馴染みがない国は、実は素晴らしいホスピタリティを持つ国でした。
アルバニアにはモンテネグロから入った。到着した町はスコドラ(シュコダル)という。結構大きな町。タクシーのおじさんが気を利かせてくれ、ミニバス乗り場で下車。ミニバスの出発を待ってる間、『歩き方』の切れ端を取り出す。最終ページの会話集から、いつものようにそのいくつかを覚える。
「ありがとう」は「ファレミンデリト」、「こんにちは」は「ミラディタ」、「さよなら」は「ミルバフシム」。アルバニア語はこれまでと全く違う。この3つだけは覚えた。会う人に「ミラディタ」と言う。
ほとんどすべての人が最初は驚き、そして笑顔に変わる。子供も寄ってきたりして、一緒にサッカーボールを蹴って遊ぶ。皆でたった1ページの会話集を覗き込み、彼らも日本語を覚える。「こんにちは、ハッサン!」元気な兄ちゃんはずっと叫んでいる。1から10まで、1月から12月まで、僕と一緒に復唱したりする。こんなことは普通のヨーロッパの国ではありえない。素朴なのだ。これまでも優かった。しかし、更に屈託のない素朴な笑顔を向けてくれる人たちだ。
首都ティラナに着いた。バスもミニバスも郊外に停まる。ここ何処?でも、同乗していたおばちゃんが僕を連れて行ってくれる。彼女は全く英語がわからないから、単語/固有名詞と表情だけで会話する。両替中も待っていてくれて、バスに僕を乗せ、僕の運賃も払う。わざわざある程度の見当が着く場所まで僕を連れて行き、自分は再びバスに。腹減った。宿に着く前に軽食。値段表示のないファーストフード。ここでもミラディタ&ファレミンデリト。60円で笑顔に包まれる。マクドナルドではないが、スマイルにお金は必要ない。
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宿に着く。ここですべての情報を得なければならない。ティラナはバス乗り場が分散しているし、インフォメーションがない。宿の兄ちゃんが教えてくれる情報の正確で丁寧だったこと! 満員の市内バスでも皆が僕の降りる場所を教えてくれる。帰りの夜行バスでは、休憩の時、眠さと&トイレの心配から下りなかった僕に後ろの兄ちゃんがジュースを買ってきてくれた。
南部の町サランダでも同じ。皆が笑顔で親切だから、楽しさは倍増。昨日のバスの運転手が僕を覚えてくれ、次の日笑顔で声をかけてくる。それにこの時期でも、南部は暖かい。日が照ると長袖Tシャツで十分。そしてこの海はイオニア海。もうここまで来るとアドリア海ではなくなる。
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ギリシアのアテネからサランダは毎日直通バスあり。€20である。ホテルは€10以下、チキン丸焼き350円、ビール1本80円。サランダから日帰り可能なブトリントとギロカスタルもいい。郊外のブトリントは僕でもハマった、かなり美しいギリシア遺跡。川の向こう岸には車も人も筏に乗って渡る。釣り人と田園風景。
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1時間30分のギロカスタルは屋根がグレーの石葺きの町。
渓谷の下に町が広がり、見渡す景色の見事なこと。
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ユーロの下落もあり、現在アルバニア・1レク≒1円と計算も楽。ここ、お勧めします! ギリシア旅行のついでに、なんて感じで。
ただ、1つ不思議なことがあった。ティラナには“彼女”の名がついた広場がある。隣のマケドニアのスコピエにも“彼女”の名がついた像が建つ。実はアルバニア人が多いコソボも同様らしい。やっとわかった。ここは“彼女”の故郷なのだ。“彼女”とはマザー・テレサである。僕は知らなかった。マザー・テレサはアルバニア人なのだ。マザー・テレサはアルバニア人のホスピタリティの象徴なのだ。
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