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スタートアップ企業支援者に聞く『イノベーションを興すには』(岡山イノベーションサミットパネルディスカッションレポート④)

(観客席・石川理事)つい最近、事業を創出して新会社を作りました。その際のプロセスを申し上げます。

コロナ禍になって何かが変わりそうだなと感じていました。コンビニに売られているパンの裏表示をみると多くの糖質が載っています。一方で、成人病が増えているというニュースをよく聞くようになりました。それじゃあ、健康に関してエシカルなパンを作らないと、この国の成人病患者が増えていく一方ではないかと思うようになりました。そこで、新規事業を始めたのです。将来は、健康に関してエシカルなパンがコンビニのショーケースの半分ぐらい並ぶようにしていきたいと思っています。別の新規事業について。去年の10月私のおばあちゃんが亡くなりました。94歳でした。10年間介護施設に入っていて、最後はやつれて亡くなりました。このような高齢者が増え、国の医療費の負担は増加しています。この現状をなんとか変えないといけないなと思いました。そこで、取り組もうと思ったのが、高齢者向けのフィットネスです。事業目的は国の医療費の削減し、家族の負担を減らし、健康寿命を伸ばして高齢者のwell beingに繋げることです。このように日常のほんの出来事が事業につながったりするのです。僕は100億以下のビジネスに興味ありません。皆さんの課題に対するサービスを提供するためには一定の規模が必要です。規模を追求して100億以上のサービスを作ることが僕の与えられた役割だと思っています。

(小林)石川さんの感覚で支援者、支援機関は必要ですか?

(観客者・石川さん)これまで必要と思ったことは一度もありません。

ただ、支援者・支援機関を必要な人だと思う人はいるでしょう。支援者には、起業家が自分のサービスに集中するよう教育してほしいと考えています。現状、ネットを引くため、エクイティを引くために多くの時間を費やしており、起業家の熱が下がる要因になっています。支援者側はスタートアップのリスクを理解しつつ、起業家の情熱が熱いうちにお金を出して欲しいです。SaaS、MaaSのように、7,8年しないとビジネスにならない事業もあります。事業によっては、長期的に見た支援も必要ではないかと思います。

(観客席・中島会長)本来、事業をやることは面白いのですよ。

私も様々な事業に取り組んでいまして、事業をやることは面白いなと思っています。お金儲けはあくまで手段であって、事業をやるんだったら日本一を、次は世界一を目指すというという意欲が重要なのではないでしょうか。事業に取り組む過程でいろんなことを考えたり、苦しんだりすることが面白いのです。給料のため、生きるために従来通りの仕事をやっていればいいという人もいます。でも、あなたの人生それでよいのでしょうか。私は、新規事業に取り組む面白さを若い人にもっと理解して欲しいと考えています。だからこそ、よりスタートアップの人たちが出てきて欲しいです。

(小林)我々、支援側に不足していることはありますか?

(観客席・中島会長)橋渡しだと思います。若い人が様々なスタートアップに取り組んでいると聞いています。岡山の既存企業で新しいことをやりたい人がいることも承知しています。この両者の橋渡しをしていって欲しいですね。

(質問)石丸さんだったら岡山でどんなことを取り組まれますか。

(石丸)岡山が持つ産業構造を大事にされると良いと思います。

都市の基盤となる産業構造に近いスタートアップが多く出る傾向にあります。地域とスタートアップが繋がり、協働していく必然性があることを地域全体で理解していく必要があると思います。冒頭で提起された課題について、正確には課題ではなく問題だと思っている。問題を解決するために設定するのが課題です。問題設定を岡山としてどうするか考えていくことになるかと思います。

(小林)ありがとうございました。それぞれのスタートアップ支援機関が、それぞれの思いを持ちながら、どう取り組んでいくべきなのか。今後も考えていきたいとお思います。本日は、皆さんありがとうございました。

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