見出し画像

『時間の面影』を見に行く

11月の3連休中日。おそらく混み合うだろうと思いつつ、どうしても今見たくて濱田英明さんの『時間の面影』を神戸まで見に行く。神戸の街を歩くのも何年振りかという感じで上品な街並みとキラキラした秋のひかりで足取りも軽い。ただ日差しがあるとこは暑かった。

まちなかたくさんの人

会場に到着。薄暗いひんやりした階段を登りいざ会場へ。踊り場のところにすでにたくさんの人。どこが会場なのかわからなくてキョロキョロしてしまう。

いろがすき

入ってすぐ1作品目を見て「なんと!!!」と意表をつかれた。予想外の作品にしばらくゆらゆらと動揺しながら奥に進む。みなさん穴が開くほど真剣に見られている。見ているというより心の中の自分の風景とか心象とかを見ているのだろう。会場の雰囲気に慣れるまでしばらく見ている人を見ていた。

誰もいない時に撮った
はるばる来てよかったという光

いろんな作品があったのだけど一番引かれたのは雪の作品と道を登っていく作品。雪の方は完全にわたしを子供時代に戻した。道の方は映画『ユリイカ』を思い出した。


なんなんだろうか。作品を通して感じたことは『懐かしい』という言葉がしっくりくるのだけどその言葉では到底補えない、哀しさ寂しさ楽しさ嬉しさ儚さがある。

一番感じたことは、いなくなった誰かがそこにいて会えたような、そこにいるような気持ちになる。。亡くなった人や通り過ぎてしまった過去がほわんと心の中に置かれる感じ。どうしても亡くなった母や祖父母、そして子供だった自分を思い出す。もう戻らないもの、戻らない場所、戻らない時間、そこにしかないこの先も自分が大事にそっと抱えていきたいものを思い出させる。

シアターも見たかったのだが時間がなく断念。巡回展をされるということなのでぜひ足を運びたい。とか言いつつ海外だったらどうしよう。行こうかな。


後日談。この展示を見たからだとしか思えないのだが。もうすぐ母がいなくなって4回目の冬。毎年母の漬物を楽しみにしていた。でもそれを自分が作る勇気というか気持ちがなかなか出なくて漬けたことがなかったのだが。実家の冷蔵庫に無造作に貼ってあったメモ書き(今もそのまま)で漬物をつけてみた。美味しくできるといいな。

いいなと思ったら応援しよう!