No.7「芸術の冬」です!(12月1日発行の園だより『のぞみ』12月号より)
早いもので今日から12月です。
今月の目玉はなんと言っても「発表会」です。
その後、冬休みを挟んで「作品展」と続きます。
「芸術の秋」ならぬ「芸術の冬」です。
11月7日(月)から「のぞみ」では連日、「発表会」の練習が行われています。
私はそれを見るのが楽しみでなりません。
日に日に驚くほど成長していることが、手に取るように分かるからです。
一か月前に国際バカロレア(IB)候補園になった「のぞみ」にとって、芸術は最も重要な要素の一つです。
IB初等教育プログラム(Primary Years Program, PYP)の教育指導要領である『PYPのつくり方』(ネットで無料で入手出来ます)は、幼児教育における芸術の役割について次のように述べています:
芸術によって、児童は創造のプロセスにかかわります。創造のプロセスを通じて、活動と振り返りが繰り返される中、児童は探求や新しい試みを行います。PYP では、このような創造のプロセスは、探求による学習の原動力であると見なされます。幼い頃から、児童は本当に興味のあることを伸ばし、注意深く自分の作品について考え、自己批判し自分を振り返る機会が与えられます。自分自身の作品や他の人の作品を振り返り評価することは重要で、児童は知的なリスクを負うことができるようになります。芸術作品を創り、鑑賞するプロセスは喜びであり、生涯を通じて創作活動を続けるよう児童に働きかけます。(『PYPのつくり方』、144頁)
https://www.ibo.org/contentassets/93f68f8b322141c9b113fb3e3fe11659/pyp-making-the-pyp-happen-jp.pdf
「発表会」の練習は、ここに書かれていることにぴったり当てはまります。
どの学年も「注意深く自分の作品について考え、自己批判し自分を振り返る機会が与えられ」る作品にチャレンジしています。
年少組はこれをもって本格的に、生涯を通じての「創造のプロセス」に入ります。
その意味で当日は「新たな記念日」です。
一生の思い出として、ずっと身体が憶えていることでしょう。
年中組になると、劇のストーリーが複雑になります。
それに合わせて数人ずつグループになり、それぞれ異なる役割を演じなければなりません。
ストーリー全体と、その中で自分に与えられた役割の意義の両方を自ら探求し、それを身体と声で表現することが求められます。
まさに「探求や新しい試み」への門出です。
年長組のストーリーとなると、そこにある種のメッセージ(哲学)さえ生じます。
それゆえ、大人の芝居さながらのセリフを覚える必要があります。
前二学年の作品で求められること全てに加えて。
従ってそれは、「のぞみ」での三年間の「学び=遊び」の集大成そのものです。
どのクラスも、子どもたちが「去年より」、そして「今より」成長するために最適な「知的なリスクを負うことができるよう」な作品です。
各クラスの先生方は、そうした作品となるよう考えに考え抜きながら、連日、準備と指導にあたっています。
毎度、同じことの繰り返しになってしまいますが、本当に「のぞみ」の先生たちは凄いです。
発表会当日まで残り10日余りとなりましたが、どのクラスも完成に至るまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
園児も先生方も大変な時ですが、このラストスパートのバタバタ感は、楽しかった中学、高校の文化祭前を思い出させてくれます。
今、「のぞみっこ」は先生たちと一緒に、それと同じぐらい最高の思い出を作っている真っ最中です。
「のぞみ幼稚園発表会」というドラマのクライマックスへ向かいながら。
「のぞみ版・舞台芸術の集い」初日まで残すところあと10日。
どうぞ楽しみにしていてください。
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