#58 次なる段階へ
2017年4月、南九州市川辺に引っ越してきて、5年が経過しました。此処に住んでから多くのことを学び、多くのことを経験させてもらいました。
日々薪風呂を焚きながら暮らして、高校生たちとの取組を立ち上げたり、力不足だけれど知覧茶の仕事に携わったりしながらこの地域で過ごしてきて、この家に住むまでのドキュメンタリーがMBCで放送されてギャラクシー賞を頂いたそうで光栄なことです。
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此処で暮らしながら目標を一つ掲げていたのは
人口3万人の町で「ファッション/衣服」と云う生業を
個人でやっていけるのか?
答えは、YESでした。
実はローカルで生きる若い人達に向けたポーズとして、成し遂げたかった唯一のことでした。
しかも、sanakaの場合はマーケットインではなく、プロダクトアウト。一生懸命伝え続けたら、ちゃんと届きました。ローカルも個人も言い訳にすることはできなかったし、何より本当に自分のしたいことは自分が中心になってやらないと誰も当てにならないことは分かりました。
あとは自分の適性を信じて、得意じゃないことも少しづつやりながら成長させていく他ならず、まだまだ不足しているので次のステップに進みたいと思います。
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その一歩として(理由はいっぱいありますが)7月末で南九州市を出て、霧島市に引っ越します。直接したかったのにご挨拶できていない方々、突然本当すみません。お世話になりました。本当にありがとうございます。でも取り組みは辞めないので、定期的にやってきます。
家が変わるだけで人への想いは変わりません。
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五年以内にすることを此処に掲げておきます。
⑴_ 反物を織っていたり、染めを行っている会社とプロダクトを開発を行う
現在は古着を解き、洗い、布に戻すまでの工程を経て、製品にしているからこそ唯一無二であり、とにかく手間をかけています。
それはやめないのだけれど、新しい布を生産しなければ工場はやっていけないから、新しい布でプロダクトをつくります。
⑵_ 海外での展示
この話を進めるためにカタログを制作しなければいけないのですが、まだ着手できていません。海外の方からの印象が良く、日本の方より理解が早いのは少し残念なんだけど、それは仕方ない。海外での基盤を作っていけば、新しい布で挑戦する意味も深まってくる筈だと信じて。
⑶_ sanaka、法人化?
性分としては小規模でやっていきたいのだけれど、とにかく人の手が必要なんです。雇用を増やせる程の稼ぎがないのも、理由は単純で量を増やせないから。10人未満の規模まで広げて、家族のようなゆるやかで芯のある根の張ったチームをつくりたい。社会との窓口として、必要であれば考えていきたい。
⑷_ 著作権の登録
大きな企業では、古着を解いて洗ってつくるまでの工程の多さは真似したがらないだろうと思うのですが、でも真似されて著作権を先に取られたら、sanakaは即死します。だから本当はすぐにでも登録をしなければいけないのだけど、そう云うのが苦手な僕個人の弱さです。
そして⑸年後_ 九州各地の強固な繋がりと海外での展示でかつての日本文化の在り方の素晴らしさを証明して、それを担う仲間たちと一緒に戦ってくれる企業の方々と心の通ったチームを築いて参ります。
日本の民族服を更新するような取り組みにして、文化を僕らの日常に戻していきます。引き続きおもしろがってみててもらうか、参加意識を持っていただけたらうれしいです。
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でも、今世で僕がすべきことは
「家族をつくる」「次の世代の環境を整える」「戦争のない平和を守る」の三つだけです。
上に挙げたことたちは人生をかけてやっていきますが、それらを一番守りたいので崩れそうになったらば、やりたいけど楽しそうなことは次の世代に託すほどのおだやかな気持ちでやっていきます。
温かく身守っていただけたら嬉しいです。
7月末まで時間はあるのですが、次の家の補修や大量にある着物整理、移動でバタバタで。少し落ち着いたらゆっくりと時間をとってご挨拶に伺わせて下さい。
何卒、今後とも末永く宜しくお願い致します。
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追伸:この家が好き過ぎたり、逢いづらくなる人を想い出したりして、ふとセンチメンタルな気分になってしまうのです。基礎的な新陳代謝のようなものなんだけどなあ、やっぱりさみしいなあ。
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