25年ぶりのトラック1500mは青春の記憶@OTTセンゴ
トラックでの試合は、何歳になっても独特の"あの感じ"が蘇る。
"あの感じ”は”あの感じ”としか表現のしようもないのだが、五感全てがトラックでのレースを覚えている。
エアサロンパスなのか湿布のようなにおい、息遣いや走る足音や歓声、何とも言えぬ緊張感を帯びた空気感、ラストの直線で焦点がゴールと電光掲示板に定まっていく感じ、ゴール後の口からのどが焼けつくようなヒリヒリとした感触、挙げればキリがないが、そう全てが五感で感じる"青春のあの感じ"
最後のトラック1500mは、1996年高校3年生の夏、国体を目指すシーズン最後の中距離戦線の埼玉県大会決勝。
そう、25年も前。
調子が上がらず、得意な800mで準決勝敗退し、800m敗退の翌日から始まる1500m。
初めて予選を突破し、県大会の決勝を初めて走ったあの1500mから25年ぶりのトラック1500m。
出走したのはOTTセンゴとゴセンの1500m。
事前申告の目標タイムは、県大会決勝に進出した4分1桁秒から50秒以上遅い5分切り。
練習の一環でやった1000mタイムトライアルでは3'26で、5分切りなんて到底及ばないと思いつつ、やっぱり1500m5分切るってひとつの区切り。
高校3年生の記録は目指せなくても、中学2年生の頃に初めて5分を切ったあの日くらいでは走りたい。
目指せ中2!
OTTでは豪華なペースメーカーの方々と共に走れるのも魅力。
出走する組は卜部蘭さん、志村美希さん、三津家貴也さん、鹿居二郎さんとテンション上がるペーサー陣で、出走する皆さんのテンションもMAXに。
卜部さんは78秒ペースで行くらしいが、設定5分ペース(1周80秒)の三津家さんにくっついていくことを選択。
OTTの魅力は、程良い緊張感はまとっているものの、大会全体があったかくピリピリとした緊張感はないこと。
高校の県大会決勝前なんて張り詰め過ぎて誰も近寄らせない感じで、スタートまでの時間がとても長く感じたが、OTTでは西本さんの軽快なMCもあって和みながらアッと今にスタート時間。
レースは予定通り三津家さんの後ろをぴったり張り付くことに成功。
1周目を78秒で通過し、その後は80秒ペースで進んでいく。
ペーサーの後ろって、走りやすいのなんのって。
一人で走ってるときはゼーハーペースなのに、感覚的には淡々と進んでいけるペース。
1000mの通過は3'16。
2週間前の一人TTから10秒も速いペースでの通過で、地味に1000m40代PB達成!
ラスト1周は苦しいけど楽しい。そう、それがセンゴ。
三津家さんがラスト1周は、「この辺りの人たち5分切れますよ!頑張りましょう!」と声をかけてくださり、最後の力が湧いてくる。
ラスト搾り出せー!!!と自分に言い聞かせて、最後の直線へ。
最後の直線に入った瞬間、高校最後のセンゴと同じ光景。
ゴールと電光掲示板に先行する選手の後ろ姿。
酸欠で狭まっていく視界。
いくら吸っても酸素が入ってこない感じに、焼けていくのど。
動かない脚を無理矢理腕を振って動かすが、腕にも酸素が回らない。
全てが”あの感じ”と同じ。
何歳になっても、目標タイムが50秒以上遅くても、トラックレースとはこうなのだ。
振り絞って、4'56でゴール!
最後の1周が77秒でカバーできてるのが頑張れた証かな。
またトラックレースに出てみたいな、と思えるとても楽しい大会でした。
3月はOTT開催が発表される前にエントリーしていた織田フィールドでの5000mに出走予定。
5000mも目標達成できるように頑張っていこう。
最後に、無観客レースの為、スタンドに入れない中、柵の隙間から一生懸命応援してくれた妻と娘、ありがとう!
応援が力になりました。
4歳娘が「パパ、5番ってスゴイね!」って何度も言ってくれました。
高校生の頃のようには走れないけど、当時と同じ感じを楽しみつつ、当時との違いも楽しんでいこうと思います。
※写真はOTTのTwitterより転載させて頂いております。