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2022年 日本数学オリンピック本選 第2問 解答例
正の整数に対して定義され正の整数値をとる関数$${f}$$であって、任意の正の整数$${m, n}$$に対して
$${f^{f(n)}(m) + mn = f(m)f(n)}$$
が成り立つようなものをすべて求めよ。
ただし$${f^k(n)}$$で$${\underbrace{f(f(\cdots f}_{k\text{個}} (n)\cdots ))}$$を表すものとする。
コメント:
正の整数に限定されるやや特殊な関数方程式ですが、
落ち着いて$${m, n}$$に色々代入して情報を増やしていくと複雑な処理なく正解が絞れます。
答え自体はすぐ想像ができますが、きちんと示すためには$${f^{f(n)}(m)}$$の処理が必要です。
$${f^k(n)}$$が$${k}$$に対して単調増加であることが鍵になります。
解答例:
与式で$${n = m}$$とすると
$$
\begin{align*}
&{f(m)}^2 = m^2 + f^{f(m)}(m) > m^2 \\
\Rightarrow &f(m) \geqq m+1
\end{align*}
$$
となるので、$${a > b}$$ならば$${f^a(m) > f^b(m)}$$となる。
これより、$${f^a(m) = f^b(m)}$$ ならば$${a = b}$$。
さて、
$$
f^{f(n)}(m) = f(m)f(n) - mn = f^{f(m)}(n)
$$
であり、$${n = f(m)}$$とすると
$$
\begin{align*}
f^{f(f(m))}(m) &= f^{f(m)}(f(m))\\
&= f^{f(m)+ 1}(m) \\
\Rightarrow f(f(m)) &= f(m) + 1
\end{align*}
$$
よって、元の式は
$$
\begin{align*}
f(m)f(n) &= f^{f(n)}(m) + mn\\
& = f^{f(n)-1}(m) + 1 + mn \\
& = \cdots\\
& = f(m) + f(n) - 1 + mn\\
\end{align*}
$$
この式に$${n = m}$$として整理すると、
$$
\begin{align*}
\{f(m) - 1\} ^2 &= m^2\\
\Rightarrow f(m) &= m +1
\end{align*}
$$
これが求める解である。
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