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2017年1月のまとめ ・終わらないニュース・〈コト〉から〈カタ〉へ・自動作曲のはがゆさ・LINE@の運用方法
2017年1月からまとめをnoteに書いてみることにしました。以前のものはこちら。
■作業内容
・作曲×7
・編曲 ×2
異様に編曲の依頼が来てます。新年のはじまりとして、新たな気持ちで行動する方が多いんだと思いますが、わりと死にそうです。
逆に、オーディオストックは動いてないですね。
加えて、最近一日で集中できる時間が減ってきているなと感じてます。生産性を上げなければ。といっても、限界はあるので、ギャラを上げるしかないのかなあ。
実家に5日ほど帰ったんですが、後半は文章をひたすら書いていて、ブログ合宿みたいになってました。
目次
・第二回スプラトゥーン甲子園に出場してきました・「終わらないニュース」「〈コト〉から〈カタ〉へ」で考える
・自動作曲のはがゆさ
・カラオケ屋で歌う映像をYouTubeにアップする行為は違法
・「森のくまさん」替え歌問題
・LINE@の運用方法
・海外ドラマ「Game of Thrones」にハマる
第二回スプラトゥーン甲子園に出場してきました
第二回スプラトゥーン甲子園に出場してきました。初戦敗退でしたけど。
一旦引退して、夏に発売されるスプラトゥーン2に備えたいと思います。間違いなく僕の人生に影響を与えたゲームですね。全然飽きなくてかなり困る。
「終わらないニュース」
先月一番面白かったのがキングコング西野亮廣さんのこれ。
■お金の奴隷解放宣言。
http://lineblog.me/nishino/archives/9256089.html
この件については、「終わらないニュース」「〈コト〉から〈カタ〉へ」というキーワードで書いてみます。
西野さんは1つの作品を何度もニュースにして、そのたびに知っている人の輪、買ってくれる人の輪を外側にグイグイ押し広げています。
無料公開自体はすでに一般的であり、新しくも珍しくもなんともないですが、子供からのお願いに答える、というストーリーと「金の奴隷解放宣言」というキャッチーなコピーをつけていて、ストーリーに共感する人や、言葉の使い方に怒る人など、多くの人を巻き込んでいます。
さらに、このタイミング。おそらく、売り上げもひと段落、ニュースもひと段落して、限界が見えてきたところで仕掛けている。
西野さんがヤバいのは、一度見えてきたこの輪の限界をたった1人で何度も外に推し進める力。これができるクリエイターはほぼいないと言ってもいい。
芸人として有名だから本も売れる、というレベルをはるかに超えているんですよね。そもそも、芸人として売れたのも企画力と実践する力があったからで、その力を他の場所で使っているに過ぎない。
このあとも明坂聡美さんにプロレスを仕掛けていったり、「脱・お金の奴隷解放宣言!」をするかも、とも言ってます。さらにニュースを作って輪を推し広げるつもりなのがわかる。
■声優・明坂聡美の危うさ。
http://lineblog.me/nishino/archives/9256535.html
■ウーマンラッシュアワー村本君の指摘
http://lineblog.me/nishino/archives/9256928.html
リスクはもちろんあるんですが、仕掛けないと絶対に輪は外側に広がっていかない。
音楽もそうですけど、バズりにくい作品ってあるじゃないですか。質が高くても地味というか。その場合は、この例のように作品の外側で仕掛けるとよいのかなと思ったり。
なるべく、アジテーション(炎上)だけではなく、他の方法でこの輪を広げていきたい。
炎上させていけば作品が売れる、という安易な結論ではなくて、自分なりの方法でこの輪を広げるにはどうしたらいいのかを考えるべきだよね。っていう話です。
西野さんはアウトになるギリギリを狙うのがとてもうまいですね。セーフだから、どんなツッコみが入ろうとも崩れることがない。ギリギリに投げ込むのを何度も実践して、コツをつかんできている感じがする。
あと、こういう、自分の意見を言っているだけの時は折れたり謝罪したりしてはいけないんですよね。味方側の感情が冷めるので。極端に言うと戦争と似たような感じになるんですよね。ちょっと攻撃されただけで降伏すると「うちの大将は頼りにならない」と思われて味方が離れていく。逆に、何かと戦っていると身内は強固になる。
「〈コト〉から〈カタ〉(=方)へ」
現代って、有料、無料にかかわらず、選びきれないほどの質の高いものがあふれているし、手に入れるのも簡単になっている。
検索エンジンの結果もノイズが多いし、Huluなどの有料の見放題サービスを見てても、コンテンツが多すぎて自分に合ったものを探しきれない。
ますます、「この人のおすすめなら信用できる」「この人にならお金を払ってもいい」という個人の信用がより大事になってくるだろうなと感じています。
”日本人の消費対象が〈モノ〉から〈コト〉へと移行した先に、〈コト〉から〈カタ〉(=方)への変化がある。”
■HANGOUT PLUSレポート 坂口孝則×宇野常寛「日本人はこれから何にお金を落とすのか」【毎週月曜配信】https://note.mu/wakusei2nd/n/n30dd9b7c7642
特に、商品がコモディティ化している市場は顕著になるはず。どれを選んでも大体一緒なわけだから。クリエイティブな分野ですらコモディティ化してきているから、こうした流れになっているとも言える。
なので「有名人だから本が売れる」というのは批判の言葉でもなんでもなく、これからの時代の主流になってくる。もうちょっと言うと、信頼があるから有名になる、という感じ。
資本経済に評価経済が混ざるような感じですかね。
だから、これから先、自分のモノを売ったり、仕事をもらうためには、内容だけではなく、個人としても信頼を高めることがより重要になってくると考えています。
「評価経済社会」
”『お金』なんて、そもそも存在しなかった時代や、地域で、おこなわれていた『恩で回す』ということをやってみます。”
これは「評価経済社会」という、評価が通貨のように流れる社会の考え方。
■「僕らは評価経済の高度成長期に入った」 | 岡田斗司夫
http://blog.freeex.jp/archives/51322180.html
評価経済社会の特徴は、持たざる者も評価を得ればどんな地位にもなれる、という反面、有名人がさらに有名になることを加速させてしまう、ということですね。
全てのものが無料で公開され、その評価だけが価値になるとすると、質の高いものだけ集中的に見られて、そのぶん他の無料で公開している作品が見られなくなります。
評価を集めた人は、評価してくれる人から利益を得て、他の人はほとんど利益を得られなくなる。
全員が無料で戦う世界は、創作物を見る人の格差は是正されますが、クリエイターの格差は拡大される。
現在でも半分くらいはそうなってますね。Youtuberなんかを見ればわかりやすいですが。天才と、その他の世界になる。
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この件が炎上しているのは、おそらく、言い方が癇に障ったんだと考えますが、
僕は、「お金の奴隷」も「糞ダセー」も、自分の感覚を書いているだけで、他人をDisってるようには読めなかったんですよね。「酢豚にパイナップルを入れるのはマズいし嫌い」って言ってるのと同じような感じに思えました。
個人が「マズい」と感じる感覚について、他人がどうこう言うことでもないなあ。と思ったのです。僕も言われたくないし。
僕の作品の9割以上が無料で聴けるようになっているせいなのかもしれないし、悪意を向けられてもあまりそう感じないせいなのかもしれないんだけど。
強烈なポジショントークや煽りなど、イケダハヤト(@IHayato )さんの手法に似ているんですが、たぶん、それを前から見ている人なら、そんなには反応しないはずなんですよね。
なので、イケダさんがリーチできなかった層にも届いているんだなと思います。やっぱりすげーよ亮廣は。
終わらないニュースについてもって知りたいならこちら。
■始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング 戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法
評価経済という考え方ならこの本が面白い。
■ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!
自動作曲のはがゆさ
自動作曲のニュースをよく見るようになりましたが、どうもはがゆい。
■脳を活性化する曲、AIで自動作曲 「スーパー日本人」実現に一歩
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1701/16/news114.html
「今の気分に最適な曲を自動作曲してくれる」よりも「今の気分に最適な曲をSpotifyがおすすめしてくれる」のほうが、リスナーの満足度は高いよね、っていう。
AIでわざわざ質の低いものを作らなくても、人の作ったものを選ぶだけでも膨大な選択肢があるし、人の作ったものとAIが作ったものの質の差はまだかなり開いている。
最近の自動作曲のように、全部自動でやるものよりも、いままである作業の一部だけを自動化する、という流れのほうが業界全体の質の底上げになると思うし、音楽制作で自動化できるなって思うところは死ぬほどあるんですよね。
自動作曲されたものを聴いていると、「こういう跳躍はしない」などのルール設定をきちんとしてないんじゃないかな、音楽の知識があまりない人が作っているんだろうな、音色やミックスも適当で心地よくない、と思うようなものがほとんど。
ルール設定を追い込めば、モーツァルト形式のピアノ曲ならかなりいい線行きそうな気がするんですよね。それだけルールが決まってて単純なんです。なぜそれができないのかめちゃくちゃ疑問なんですよね。
僕だったら、劇伴でそれっぽい曲が必要なシーンがあったらそれ使って作りたいもん。こういうニーズもあるのに。
たぶん、自動作曲を開発している人と、音楽家との向いている方向が大きく違う。DAWとかプラグインのメーカーが開発しないと音楽家には恩恵が受けられないんじゃないかな。
かといって、囲碁のように「勝てばいい」というものではないので、音楽家が関わってない自動作曲が独自に音楽のプロを追い抜く、ということは難しいように思う。
とりあえず、DAWの自動化をすすめてほしい。現在は、道具はものすごく精密なのに、それを使うのは全部手動、っていう、なんか変な感じになっている。
iZotote「Neutron」が出てくれたので、サードパーティ製プラグインの自動化が進む→DAWそのものにも搭載される、という流れを期待しています。
どういう部分が自動化になりそうか考えてみました
・各トラックを解析し、音量レベルをそろえてくれる。
・最終的なRMS値やラウドネス値を入力したら、そこまでのプロセスを自動で処理してくれる
・作っているメロディが他の曲のメロディに似てないかを調べてくれるパクリ検証機能
「作成したMIDIデータに、自動でメロディをつけてくれる」というのもできそうですが、AIの作曲したものには著作権が発生するようなので、これは実用化しづらそう。
Vengeance「Avenger」はかなり実践的に投入できるシーケンサーがついていて、こういう「半自動作曲」的な方向で進化していくのかな、とは考えてます。
まあ、しばらくは自動作曲に仕事を脅かされることはないかな。(そんなことを考えているうちに追い抜かれそうではある)
カラオケ屋で歌う映像をYouTubeにアップする行為は違法
個人がカラオケ屋で歌う映像をYouTubeにアップする行為は違法として、個人に勝訴、というニュース。
■第一興商が「レコード製作者の権利」を主張し勝訴(栗原潔) - Y!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20170117-00066674/
さすがに時代に沿わないような気がしますね。他のカラオケメーカーがOKを出したら、自社にとって不利になるんじゃないかな。
ユーザーはわざわざそういうのを調べてカラオケに入らないと思うので、youtubeにアップして、第一興商のものだけが消されたり、訴えられたリしたら、心象は悪いかなと思います。
カラオケの目的は「人とリアルに会って歌う、コミュニケーションの場」なので、カラオケ音源を無断でインターネットでいくら使われようとも、それによって利益が減るということは考えにくいですしね。
シェア機能については把握できてませんが。
クリエイターとの契約上、消さなければいけなくなっている可能性はありますね。
「森のくまさん」替え歌問題
■「森のくまさん」替え歌、訳詞者が販売差し止め求めるhttp://www.asahi.com/articles/ASK1L51Q6K1LPTIL00L.html
馬場祥弘さんがどういう人物なのか、というのは今回は脇に置いておいて。
同一性保持権は著作者人格権であり、他人に譲渡できない権利なんですよね。契約書のなかで、「口を出さない」ということはできますが。
なので、作詞家に直接OKをもらわなければならず、本人の心象が一番大事になる。ムカつくやつにはOKを出さなくてもいいわけだから。
利益を考えたら、直接挨拶に行ったほうがよかったのではないかなと思います。こういう、一旦こじれた状態になったら説得は難しいんじゃないかな。
これは完全にユニバーサルが悪いですね。おそらく、ほぼ作ったあとで、あとは許可をとるだけ、という状態になっていて、そこでなにか行き違いがあったんでしょう。
使うだけならJASRACに報告するだけでこういう面倒なことにはならない。なんと便利なサービスなんだろう。
LINE@ の運用方法
岸田メル(@mellco )さんのLINE@が面白そうなので登録してみました。
読者がLINE@ の内容をスクショで他の人に見せる、ということがよく発生していて、LINE@ の読者がめっちゃ増えてるはず。
中身をシェアさせて、それで読者を増やしていくのはすごく効くと思う。中身が面白いことがわかっているわけだから。メルさんはそこまでそれを狙っている感じではないですが。でも、相手を楽しませる工夫っていうのは、どの場面においても大事だなと思います。
逆に「全く他のノイズを入れずに、ライブ情報だけ」みたいにするのも、その情報だけ欲しい人には刺さりそうですよね。SNSだと色々混ざりますからね。
あと、桜井日奈子ちゃんのLINE@ を登録したんですが、直接LINEが来る感じで最高ですね。宣伝しかこないけど。僕のお嫁さんにします。
海外ドラマ「Game of Thrones」にハマる
Game of Thrones(ゲームオブスローンズ)は海外のドラマ。
中世ヨーロッパに類似するがドラゴンや魔法が存在する架空の世界において、多くの登場人物が入り乱れる群像劇。
Sleepyhead Jaimieのすわだいすけさん(@suwadaisuke )におすすめされてシーズン6までみました。
1話から殺人とセックスばかりで大丈夫かな、と不安になったんですが、ジワジワとハマっていきました。
ファンタジーですが、魔法などのファンタジー要素は少なく、そのせいでファンタジーなことが起こるとものすごい奇跡に見えます。その塩梅が絶妙。そして、ファンタジーなのに徹底して世界観がリアル。それがまたファンタジーを引き立たせる。
「壮大な昼ドラ」と説明されましたが、その通りですね。特に「家」をめぐっての争いになる。
『この時代は、自分がどういう存在なのかを証明するには生い立ちしかないのだなあ』と、まるでその時代が本当にあったかのように錯覚してしまうほどこの世界に入ってしまいます。
このドラマ、音楽があまり入ってないんですよね。入ってても背景美術みたいな感じ。会話の場面で入ることはほぼない。そのせいで会話の流れが読めずに、ものすごい緊張感になっている。
主人公がおらず、わりと主要な人物も突然死ぬし、安全なシーンでもむやみに間があるし、何かが起こる兆候もちら見せしないので、どこで何が起こるのか全くわからず、セックスシーンや感動のシーンですら見てて緊張します。視聴にめちゃくちゃ体力のいる作品。
強気の交渉は、フリーランスの交渉の時も使えるかもしれない…w
他にも、衣装のデザインがすごくいい。その時代に作られて何年も着ているような…着ていて浮いている感じが全くない。景色や建物もすごい。巨大な建造物も多く、どこからがCGなのかがほとんどわからない。
すごいしか言えないんですけど、予算の規模が全く想像できない作りこみになってます。調べたら1話6億円らしい。
huluで最初から最新話まで見れます。
■ゲーム・オブ・スローンズ | hulu
http://www.hulu.jp/game-of-thrones
切断とか頭部の損傷とか内臓とか、トラウマレベルのグロいシーンがあるので、そういうのが苦手な方は絶対にやめたほうがいいです。排せつ物”だけ”はあんまり出てきません。
僕はティリオン・ラニスターが好きです。あとは初期のブラン・スタークが可愛すぎるのがポイントです。
おわりに
今回のまとめの文字数が多くて、場所もnoteなのは、このまとめシリーズもバックナンバーは有料にしちゃおうかなーという考えからです。
このまとめは、瞬間的にみられるだけで内容も時事問題中心で、広告収入も期待できないし、SEO的にもあまり機能しないので。
ボリュームを意識したらどのくらい文字数を増やせるのか、っていうのを実験してみました。有料でも満足感を得られるくらいの内容にはなったかなあ。
今後も、このまとめでは、時事的なニュースについてのコメントと、ハマっているもの、買ったものなどを書く場所にしたいと思います。
ではでは。
おまけ
おまけ
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引きこもりフリーランス作曲家の腹の中
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