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「働く」を支える①薪づくり(後編) 変わったこと、変わらないこと
変わったこと
原木の確保
生産している薪は、広葉樹と針葉樹によって、
用途が大きく2種類に分かれます。
火持ちが良い広葉樹は、
主にストーブ用になります。
ナラ、クヌギなどを太く割ります。
原木の確保は自分たちでは難しくなり、
十年以上前から地元の林業会社さんより
購入するようにしました。
着火しやすく一気に燃える針葉樹は、
主にキャンプ用です。
スギ、カラマツなどを細く割り、
束にして納品します。
針葉樹の原木は、
以前は自分たちで確保できていましたが、
現在は購入するようにしています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162710718/picture_pc_e80961309fac38e1d607f26b62548398.png?width=1200)
2005年に薪作業棟を新築し、
それまでの「小屋」から、
薪の作業スペースを格段に大きくしました。
その背景には、
薪の需要が年々増えてきたことがあります。
薪づくりを始めた当初は、
キャンプ用の薪が販売の中心でしたが、
現在はストーブ用の薪の販売が、
売り上げの中心になっています。
環境問題・エコロジーが時代のテーマとなり、
個人の住宅で薪ストーブユーザーが増え、
それにともなって毎年、
薪を注文してくださる方が
増えてきたのだと思います。
とても有り難いことですが、
「固定客」の方のご予約で薪の在庫がなくなり、
ご注文をお断りするような年もありました。
電気、ガスのない時代では、
毎日、薪でご飯を炊き、薪でふろを沸かす生活があたり前だったと思いますが、
今、薪を日常的に使って生活しておられる方は
少ないでしょう。
でも、薪の需要が無くなることはなく、
むしろ増えてきているように感じます。
なかまの作業工程も見直しました。
以前は、割った木をすべてタガ(針金の輪)に
詰めて納品していましたが、
7年程前からタガ詰め自体をやめて、
コンテナに入れて納品するように
切り替えています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/163281435/picture_pc_dbb4d2b4052261d87d85dc9ab73150c4.png?width=1200)
「タガ詰め」作業は最も難しく、
時間がかかる工程でした。
生産量に比例して、薪づくりに取り組むなかまが増えたので、なかまが、よりとりくみやすくすることが必要でした。
工程を効率化して
生産量を増やしたいとも考えました。
また近年は、気候の変化に応じた作業環境の配慮(特に暑さ対策)が必要になっています。
変わらないこと
一方で変わらないこともあります。
夏は暑く、冬は寒く、原木は重く、
力をこめてのこぎりを引かないと原木は切れず、
原木の種類に合わせた太さに割らないと売り物にならず、割った原木は時間をかけないと乾かず、原木は「薪」にはなりません。
でも、
その薪をお客様に届けたとき、
とてもよろこんでくださり、
こちらもうれしくなる。
年数回、
上高地の小梨平にひろがる絶景を
みんなで見ることは、
とてもワクワクする。
そして、このすべての時間に、
なかまと職員の無数の汗が流されている。
これは、今もこれからも変わらないでしょう。
常務理事 村松功啓