勝手に予想問題【医師国家試験】妊娠中の生理的変化
問:
妊娠中に分泌が亢進しないホルモンはどれか?
a. TSH
b. エストロゲン
c. プロゲステロン
d. インスリン
e. プロラクチン
※スクロールすると解説に続いて答えが出ます。
<解説>
妊娠中のホルモン動体についての解説を行います。
妊娠は女性の体においてホルモン分泌の大きな変化を引き起こします。
特に、胎盤は多くのホルモンを分泌し、これらは妊娠の維持や胎児の成長に重要な役割を果たします。
胎盤由来のホルモンには、エストロゲンやプロゲステロンが含まれます。
これらのホルモンは妊娠の進行と共にその分泌量が増加し、母体の体を妊娠に適応させます。
各選択肢のホルモンについて解説します。
a. TSH (甲状腺刺激ホルモン)
TSHは甲状腺の機能を刺激するホルモンで、妊娠中には甲状腺ホルモンの必要量が増加しますが、TSH自体の分泌は必ずしも増加しないことがあります。妊娠中の高いエストロゲンレベルは甲状腺結合グロブリン(TBG)の増加を引き起こし、結果として総甲状腺ホルモンが増加しますが、TSHレベルは正常範囲内に保たれることが一般的です。
b. エストロゲン
妊娠中、特に後期においてエストロゲンの分泌は著しく増加します。これは胎盤、特に絨毛膜からの分泌によるものです。
c. プロゲステロン
プロゲステロンもまた妊娠中に分泌が大幅に増加するホルモンです。このホルモンは子宮の平滑筋をリラックスさせ、妊娠の維持に不可欠です。
d. インスリン
妊娠中、体のインスリンへの感受性が低下するため、インスリンの必要量が増加します。これは妊娠糖尿病のリスクを高める要因となります。
e. プロラクチン
プロラクチンは乳腺の成長と乳汁分泌を促すホルモンで、妊娠中にそのレベルが上昇します。
妊娠中に分泌が亢進しないホルモンは a. TSH (甲状腺刺激ホルモン)です。
妊娠によりエストロゲン、プロゲステロン、インスリン、プロラクチンの分泌が顕著に増加しますが、TSHは必ずしも増加しないため、選択肢aが正解となります。
<なぜこのパターンの問題でTSHなのか?>
深掘り解説では、なぜこの手の問題で選択肢に甲状腺ホルモンが頻繁に選ばれるのでしょうか?
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医師国家試験対策 産婦人科
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