KoM

九州在住の産婦人科専門・医学博士。研究と教育にウエイトを置き、医学情報や医療解説を中心に発信したいと思います。国家試験の解説や研究解説、診療に際しての覚書が中心です。一般向けの解説にも取り組んでみたいと思います。絵心ナシ、親心のみ。

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マガジン

  • 医師国家試験対策 産婦人科

    産婦人科領域の国家試験対策をしています。 近年の臨床の肌感が問われるような問題に対応しています。 解説希望があればコメントしてください。

最近の記事

社会 【旧石器時代と縄文時代】

社会の歴史の話題です。 旧石器時代、打製石器日本の旧石器時代は約50万年前から1万年前までの期間を指し、主に狩猟採集の生活を送っていました。 この時代には、打製石器が主な道具として使用されます。 縄文時代や弥生時代とは異なる特徴が見られます。 旧石器時代の初期にはアシュール文化やクラクラ文化が栄え、後期には縄文時代へと移行していきました。 狩猟や食料採集が主な生活手段であり、火の利用や狩猟道具の進化などが進んでいました。 また、当時の人々は洞窟や岩屋を住居として利用していた

    • コラム:HPVワクチン ~打たない理由を探してみる~

      ワクチンなんてごめんだわ・・・痛いし、補助がなければ高いし、複数回通院が必要だし、副反応が怖いし、、、 「ワクチンなんてごめんだわ」とお考えの方もいると思います。 現在2024年の9月ですので、HPVワクチンのキャッチアップ接種の補助の期限が差し迫っています。 補助を完全に受けようとすると、2024年9月末までに接種しなければ、少なくとも最後の1回が自費になります。 およそ1回3~4万円程度ですので、なかなかの出費ではないかと思います。 そうでなくても、注射はイヤなもの。 避

      • 117D54 医師国家試験 解説【子宮頸部異形成とHPV】

        22歳の女性。初めて受けた子宮頸がん検診で異常を指摘され受診した。身長 162 cm、体重 56 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 72/分、整。内診で子宮は正常大で可動性良好、両側付属器を触知しない。子宮腟部に肉眼的な異常を認めない。経腟超音波検査で異常を認めない。コルポスコピィで白色上皮を認めたため、同部の狙い組織診を実施したところ、軽度異形成(子宮頸部上皮内腫瘍)と診断された。 患者への説明として適切なのはどれか。 a     「MRI検査を行いましょう」 b    

        • 118A61【医師国家試験解説】妊婦健康診査、つまり妊婦健診(やや難問)

          問題 28歳の初妊婦 (1妊0産)。妊娠31週6日、軽度の下腹部痛を自覚し来院した。 実家に帰省した際に不規則な下腹部痛を自覚したため不安になり実家近くの産科診療所を初めて受診した。それまで妊娠初期から自宅近くの産科診療所にて妊婦健康 診査を受けていたという。来院時、下腹部痛は消失し性器出血の自覚はない。意識は清明。身長 156cm、体重68kg(非妊時53kg)。体温37.1℃。脈拍72/分、整。 血压 136/88 mmHg。呼吸数 18/分。腹部は妊娠子宮により膨

        • 社会 【旧石器時代と縄文時代】

        • コラム:HPVワクチン ~打たない理由を探してみる~

        • 117D54 医師国家試験 解説【子宮頸部異形成とHPV】

        • 118A61【医師国家試験解説】妊婦健康診査、つまり妊婦健診(やや難問)

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          118D43【国家試験解説】前期破水

          D43 32歳の初産婦(1妊0産)。妊娠32週、水様帯下を自覚し来院した。これまで妊婦健康診査で異常を指摘されていない。体温36.9℃。脈拍80/分、整。血圧 110/80 mmHg。内診所見は子宮口開大度1.5cm、展退度30%、先進部は児頭で あった。膣鏡診で羊水の流出を認める。胎児心拍数陣痛図を別に示す。適切な対応はどれか。 a 頸管縫縮術 b 緊急帝王切開 c オキシトシン投与 d ベタメタゾン投与 e 塩酸リトドリン投与 ※下にスクロールすると解説と解答が表示さ

          118D43【国家試験解説】前期破水

          中毒症と呼ばれた病

          妊娠中毒症と呼ばれた背景 古来より、妊娠は女性の体にとって重大な変化の時期とされてきました。その中でも、特に注意を要する症状の一つが「妊娠中毒症」として知られてきた妊娠高血圧症候群です。日本においては、旧来から妊娠に対する「中毒」症状として考えられてきました。妊娠中毒症はさまざまな名で呼ばれ、多様なエピソードが伝わっています。例えば、平安時代の文献には、妊娠中の女性が特異な症状を示した際に、それを「身重の病」として記録しているものもあります。また、江戸時代には、妊娠に伴う体

          中毒症と呼ばれた病

          「健康である」も「生きる」も正しいはずである。出生前検査について考察する。

          ※説明のわかりやすさを優先するために「異常」という言葉を使います。現在の当事者様向けというより、一般向けに書いております。ご容赦願います。 医療は患者の合意をもってなされるべきだが、 医療には「インフォームドコンセント(informed consent)」というものがつきものです。インフォームドコンセントの言葉自体は、説明(informed)し、納得したうえで同意を得る(consent)という意味です。実際の内容もほぼその通りで、検査・診断・治療・その見通しに至るまで患者

          「健康である」も「生きる」も正しいはずである。出生前検査について考察する。

          【医師国家試験】勝手に予想問題、子宮体部の腫瘍

          問:58歳、未径妊、閉経51歳。内科健診で骨盤内腫瘤を指摘されて来院した。健診では上下部内視鏡検査、胸部X線検査、マンモグラフィ、子宮頸部細胞診、腹部超音波断層法、血液検査を行われ、他に異常は指摘されなかった。経腟超音波断層法で、子宮体部前壁筋層内に辺縁平滑な5cm大の均一な低エコー像を認めた。子宮内膜は後方に偏位しており、所見不良であった。血液検査でCEAが7.2と軽度高値、CA-125は12と正常であり、その他に異常所見はなかった。 この患者に対する説明で、正しいのはどれ

          【医師国家試験】勝手に予想問題、子宮体部の腫瘍

          経口妊娠中絶薬が認可されて半年経ちましたので(?)、人工妊娠中絶を産婦人科医の視点から【解説・私見】

          <はじめに私見を>  まず初めに断っておきますが、私は妊娠中絶については賛成でも反対でもありません。私にとって、「人工妊娠中絶術」と言うものは、技術の1つであり、正当な理由があり、求められれば提供するものであります。きっと、多くの産婦人科医は同じ意見であると考えています。そこには、無宗教民族である現代日本人において、既に広く定着している排他的に多様性を受け入れる文化が根幹にあると考えています。言い換えると、隣の人間が人工妊娠中絶に賛成でも反対でもそれはそれで構わないのです。

          経口妊娠中絶薬が認可されて半年経ちましたので(?)、人工妊娠中絶を産婦人科医の視点から【解説・私見】

          【医師国家試験】勝手に予想問題・産科危機的出血

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          【医師国家試験】勝手に予想問題・産科危機的出血

          勝手に予想問題【医師国家試験】妊娠中の生理的変化

          問: 妊娠中に分泌が亢進しないホルモンはどれか? a. TSH b. エストロゲン c. プロゲステロン d. インスリン e. プロラクチン ※スクロールすると解説に続いて答えが出ます。 <解説> 妊娠中のホルモン動体についての解説を行います。 妊娠は女性の体においてホルモン分泌の大きな変化を引き起こします。 特に、胎盤は多くのホルモンを分泌し、これらは妊娠の維持や胎児の成長に重要な役割を果たします。 胎盤由来のホルモンには、エストロゲンやプロゲステロンが含まれます。

          勝手に予想問題【医師国家試験】妊娠中の生理的変化

          117E30【医師国家試験】過去問解説

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          117E30【医師国家試験】過去問解説

          医師国家試験【風疹感染】勝手に予想問題

          問:33歳、妊娠12週の妊婦。妊娠初期のスクリーニング検査で風疹抗体価が8倍未満であった。正しい説明はどれか。 a. 幼少期に風疹ワクチンを接種していない可能性が高い。 b. 胎児器官形成期が終了するのを待って、風疹ワクチンを受けた方が良い。 c. 妊娠初期に風疹感染している可能性があり、精密検査を行う。 d. 分娩後に風疹ワクチンの接種を推奨する。 e. 同居家族が風疹に感染した場合は手洗いの励行で予防可能である。 解説: 総論的解説: 風疹は、風疹ウイルスによって引き起

          医師国家試験【風疹感染】勝手に予想問題

          【医師国家試験解説】117C48、妊娠初期の超音波検査

          問: 32 歳の女性。無月経を主訴に来院した。最終月経は、令和4年1月1日から6日間。令和4年2月1日に人工授精を行い、3月7日に受診した。最近 1 年間の性交渉歴はない。妊娠判定試薬は陽性であった。 この時点で適切な経腟超音波検査所見はどれか。 a 胎囊のみ b 心拍動を認める胎芽 c 木の葉状の子宮内膜像 d 頭殿長<CRL>3.0cm の胎児 e 児頭大横径<BPD>3.0cm の胎児 ※スクロールすると解説に続いて答えが出てきます。 時間経過のポイント

          【医師国家試験解説】117C48、妊娠初期の超音波検査

          医師国家試験【絨毛性疾患】勝手に予想問題

          問:絨毛癌診断スコアの評価も項目に含まれるものはどれか。 a. 前回の分娩様式 b. 腫瘍の大きさ c. 血清中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)レベル d. 腫瘍の浸潤の程度 e. 絨毛癌の病理学的タイプ ※スクロールすると解説、解答の順に表示されます。 最近の婦人科の国家試験の問題は、2極化が進んでおり、簡単な問題と難しい問題に分けられます。 117回では癌肉腫や外陰癌といった比較的稀な腫瘍について問われました。 そこで、そろそろ出るかもしれない、かつ問題にしやす

          医師国家試験【絨毛性疾患】勝手に予想問題

          【医師国家試験】勝手に予想問題

          問題: 次のうち、深部静脈血栓症(DVT)のリスク要因として最も関連が低いものはどれか。以下の選択肢から最も適切なものを選びなさい。 a. 心房細動 b. 重症妊娠悪阻 c. 全身性エリテマトーデス d. 悪性腫瘍 e. 全身麻酔 解説: 既に過去問にもある問題ですが、最近の医療現場では特に入院患者への深部静脈血栓症、転倒、栄養評価は必須となっており、基礎知識として深部静脈血栓症は重要です。 深部静脈血栓症(DVT)は、主に下肢の深部静脈内に血栓が形成される病状です。

          【医師国家試験】勝手に予想問題