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セッション定番曲その177:Bags' Groove by Milt Jackson
ジャズセッションのド定番、「Fのジャズブルース」のひとつです。コールされることも多いので絶対に知っておいた方がいいです。
(歌詞は最下段に掲載)
和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。
ポイント1:Fのジャズブルースを歌う
Leon Thomas, Milt Jackson、1970年録音
ヨーデルのような唱法でフリージャズまで歌い1970年代に人気だったLeon Thomas。一時期はサンタナに加入して来日もしていました。これはテーマに歌詞を付けて歌ったもの。
ジャズセッションでは最後にブルースで全員ソロ回しすることも多いですが、ボーカリストも参加したいですよね。テーマを知っていれば一番いいけど、大体は「F」か「Bb」のブルースなのでスキャットでの参加も練習しておきたいですね。ジャズを歌っていても何故か「ブルースは苦手」と言う人もいますが、もったいないですよね。すべてのジャズ曲の背景にはブルースがあるという極論もありますが、それも間違いではないと思います。通常のジャズ曲の16小節や32小節とは違ってブルースは12小節が基本なので「4小節交換」をしていくと曲の頭がどんどんズレていきますので、そこは要注意です。
Bags、2018年録音
こっちはテーマとは関係なく、ただブルースとして歌ったもの。いい感じですね。参考になります。こういうやり方でジャズブルースに参加していくのもアリだと思います。ラップが出来るのなら、そういう加わり方もアリ。
Jessica Heaven、2018年ライブ録音
ボーカル、バイオリン、ベースという変わったトリオ、歌詞はなく終始スキャットです。あまり盛り上がっていない小さなカフェでの演奏みたいです。
ポイント2:Miles Davis
1954年録音、作曲者はMilt Jackson。
これがこの曲で一番有名なバージョンだろうと思います。名手が集まって演奏するとジャズブルースはこんなに創造性豊かな展開になるのだとあらためて思いますね。
ポイント3:Milt Jackson
1952年録音、これがオリジナル。
Lionel Hamptonという先駆者はいましたが、ムード音楽楽器とも見られていたビブラフォンをこんなにファンキーに鳴らせる疾走感のある楽器として演奏したのはMilt Jackson先生。
ポイント4:様々な演奏を聴いてみよう
Oscar Peterson Trio、1963年録音
Ray Brownのベースが聴きもの。しっとりとした演奏です。
Hank Mobley、1957年録音
リーダーアルバムで自信たっぷりに吹くHank Mobleyはかっこいいです。
Ron Carter, Jim Hall、1982年ライブ録音
Kenny Dorham、1968年ライブ録音
クラブでの演奏らしいラフさと熱気がいい雰囲気です。
Lee Morgan, Curtis Fuller, Hank Mobley、1958年ライブ録音
◼️歌詞 (Leon Thomas版)
One man, only one man
can put you in bag’s groove
One soul, only one soul
can hit you with bag’s groove
One heart , feel so blue
and he call it bag’s groove
One lonely, woman,
you can live with bag’s groove
One life, dedicated
the truce to bag’s groove
One man, that one man
we know him bag’s groove