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セッション定番曲その76:Heartbreaker by Grand Funk Railroad

ロックセッションでの人気曲。昔懐かしいアメリカン・ハードロックの名曲。コード進行が単純なので、いきなり演奏出来ますね。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。


ポイント1:Grand Funk Railroad

1970年代の中高生に人気のバンドだったGFR。ロックバンドを組んでまずコピーしてみるのが彼らの曲でした。

同時期の英国のロックバンドと比較して「ヘタ」「テクニックが無い」「音がデカいだけ」とか批判されることもありましたが、ロックをそんな聴き方をすること自体、当時の中坊には理解出来ませんでした。「えっ、音がデカくて、楽しくて、会場が盛り上がった方が勝ちじゃん」・・・

マーク・ファーナーのギターは確かにテクニカルではなかったけど、最高のボーカリストだし、メル・サッチャーのブンブン唸るベースこそ「ロック」という感じだった。3人組という最小限の構成なのも良かった。

ロバート・プラントやイアン・ギランの高音は歌えなくても、GFRの曲は歌えたというのも人気があった理由ですね。

グランド・ファンク・レイルロード - Wikipedia


ポイント2:「傘が無い」進行

日本では井上陽水の「傘が無い」が有名ですが、順番としてはGFRの方が先。昔からよくあるコード進行(アンダルシア進行/フラメンコ進行)ではありますが、重めのバラードにしたところは似ていますね。
「Heartbreaker」はBmから下がっていきますが、「傘が無い」はAmから。


ポイント3:歌詞のポイント

とてもシンプルな歌詞で、それも中坊に人気があった要因かと思います。

Once I had a little girl, sometimes I think about her
Buddy, you know she's not really there
「once=かつて」と言っているので既に過去のことだと分かります。
彼女は彼のもとを去ってしまっています。

When memories do call
ここの「do」は単なる強調で挿入されているもので、意味的には無視して大丈夫です。「memories call=思い出たちが呼び掛ける」というのはちょっと詩的な表現で素敵ですね。

and I just can't live without her
思い出に浸る間も無く、彼女がいなくてどうやって生きていけばいいんだ、と。

bringing me down
「bring down」は文字通り「引っ張り落とす」「撃ち落とす」そして「落ち込ませる」という意味です。

彼女が手に入らないことで、主人公は大打撃を受けて、嘆き叫んでいます。

But tryin' all the time is so hard to bear
ここでの「bear」は「熊」ではなく「(辛いことに)耐える」という意味です。


ポイント4:ハードロックを歌う

こういうシンプルなロック曲を歌う時は、見栄なんか忘れて、バカになって思い切り叫ぶことが大事です。バックの演奏もなるべくデカい音で。メリハリを付けるこも大事ですが、そんな余裕をかましていないで、フルテンでいきましょう。ベースはブンブンと。

声が掠れても、ひっくり返っても、そんなことは構いません。歌詞が飛んでも大丈夫。出来れば上半身裸で、汗まみれで。ステージの上では貴方がロックスターです。

短足でも大丈夫だとマーク・ファーナーが教えてくれました。


ポイント5:「Heartbreaker」というタイトルの曲

同名異曲が沢山あります。
そもそも「Heartbreaker」とは「(魅力的だけど)関係を持つと、その後で(心が張り裂けるような)痛い目に遭ってしまうような人」という意味です。ちょっと「薄情な人」なのかも。ただの失恋ではなくて、ずっと思い出に残ってしまい、傷が癒えなくなってしまうような。相手が悪いだけじゃなくて、自分の側の思いも重過ぎるのかもしれませんが。

有名なのはLed Zeppelin。これをコピーしたり歌ったりするのはハードル高い。
Heartbreaker

最高にヘビーなFreeの名曲。
Heartbreaker

The Rolling Stonesは区別を付ける為に「Doo Doo Doo Doo Doo」という副題になっています。
Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)

Pat Benatarのヒット曲も。
Heartbreaker

Mariah Carey, Jay-Z
Heartbreaker

Dionne Warwick
Dionne Warwick - Heartbreaker
元々はBee Geesが書いたもの
Bee Gees - Heartbreaker

Michael Jackson
Michael Jackson - Heartbreaker

Justin Bieber
Justin Bieber - Heartbreaker

こんなものまで
Kis-My-Ft2 / HEARTBREAKER

誰もが付けたくなる魅力的なタイトルだけ、ちょっと陳腐になってしまう・・・という感じでしょうか。
もしリクエストされた時には「誰のHeartbreaker?」と確かめないと痛い見目に遭いそうです。


ポイント6:曲を聴いてみましょう

スタジオ録音版

ライブ版

キーボードが加わってからのライブ版

女性ボーカルによるカバー

これも女性ボーカルによるカバー


生きていて、いつの間にか頭でっかちになってしまい、考え込んでしまうような時は2枚組ライブアルバムを大音量で聴きましょう。生きていて良かった、と思えるようになります。


■歌詞

Once I had a little girl, sometimes I think about her
Buddy, you know she's not really there
When memories do call and I just can't live without her, no, no
But tryin' all the time is so hard to bear

Heartbreaker, can't take her
Heartbreaker, bringing me down
Heartbreaker, can't take her
Heartbreaker, bringing me down

Now, I don't cry no more, I live while I'm flying
But I'll think back and you can hear me say

Heartbreaker, can't take her
Heartbreaker, bringing me down
Heartbreaker, can't take her
Heartbreaker, bringing me down

Heartbreaker, can't take her
Heartbreaker, bringing me down
Heartbreaker, can't take her
Heartbreaker, bringing me down



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