育休中に営利企業でボランティアをすること
育休中です。
先日、娘が8ヶ月を迎えました。
娘が可愛すぎて、そしておそらくはかなり育てやすい部類で、夫婦ともに人生における悩みがゼロになりました。
いつまでも赤ちゃんでいてほしい、と周りのママ友たちは言っていますが(私にもママ友が2人できた)、
私としては娘といろいろ会話ができるようになるのも楽しみです。
「一生をほぼ土で眠って暮らす蝉のような人生を、どう思うか」など。
育休中にボランティアをすること
さて、前置きはここまでとして、「ママボラン」というサービスを通してボランティア活動をしています。
子育て中のオカン対象で、ほとんどが育休中の人たち。
会員が女性ばかりなのは、まだまだ女性のほうが、育児でキャリアを諦める人が多いからなんでしょう。
私個人は特にキャリアにこだわりはなく、ありがたいことに現職の労働環境や処遇もめちゃくちゃいいのですが、零細企業であるという組織の弱さに疲れることがあって転職もやんわり考えていました。
そんなときにちょうど育休に入り、リスクを取らずに他の組織を見れるチャンスだと思ったのが、ママボランに登録したきっかけでした。
私がボランティアをしている企業
ママボランでは、主にスタートアップを中心に、営利・非営利関係なくいろんな企業がボランティアを募集しています。
その中で、2月から私が活動しているのは、日揮パラレルテクノロジーズ(通称:JPT)という会社。
日揮ホールディングス株式会社の特例子会社として、去年できたばかりの会社です。
特例子会社という名前も、障害者雇用についてもまったく知識のないところからでしたが、noteを通じて広報を担当させていただけるまでになりました。
社長、副社長のお二人には、お忙しい中たくさんインタビューの時間を作ってもらいました。(結構失礼な質問もした気がする)
よかったら、会社公式noteも覗いてください。
非営利企業でボランティアをすることとの違い
ボランティアというと、NPOなどでの非営利企業での活動をイメージするほうが多いと思います。
子ども食堂とか、震災後のサポートとか、地域おこしとか、海外の難民支援とか。
ボランティアのポータルサイト「activo」を見ると、ものすごい数のボランティア募集があります。
ボランティアをしたい人って、多いんですね。
本業のスキルを無償で提供するプロボノも、近頃多いですね。
(参考:サービスグラント)
ママボランでは、これらの非営利企業に加えて、営利企業でのボランティアをすることもできます。
非営利企業では、基本的には「受益者負担」が成り立ちません。つまり、サービスを利用する人が、サービスにかかるお金を払えない場合が多いということ。
つまり、サービスを提供するのにかかる人件費を、無償(あるいは低価格の有償)ボランティアで埋めることに意義があるということ。
最近出てきたソーシャルビジネスでは、そのあたりをうまく解決しているのかもしれません。
一方で営利企業でボランティアをする場合は、そのあたりの事情がちょっと変わってきます。
つまり、適切な人件費も含めて、事業として成り立つのが大前提であるということ。
スタートアップ企業は、まだまだお金もノウハウもないので、ボランティアやプロボノの存在はありがたいはず。
ただ、非営利団体と違って、ボランティアをしている本人に「いいことをしている」感が芽生えにくい面もあるかもしれません。
そこんところ、キャリアで悩んでいる育休中の女性ならば、
「この歳でノーリスクで他社にインターンができている」というモチベーションになるんでしょうね。
いいサービス。
ボランティアの楽しさ
2月から、週にだいたい7〜10時間ほどの活動時間で活動してきました。
JPTでは、
「会社のやりたいことを個人に割り振る」という一般的な仕事のあり方ではなく、
「個人の好き/得意を仕事に昇華する」という仕事の作り方をしています。
これ、言葉でいうほど簡単じゃないと思うんですが、ありがたいことに私は自分の得意なことを好きなペースでやれています。
企業の公式noteの運営をボランティアに任せるJPTの懐のデカさもすごいと思うけど、
現職ではほぼフィードバックのない完全個人プレイなので、社長・副社長へのインタビューは楽しく、勉強になります。
直に喜んでもらえる感じがするので、やる気にも繋がります。
社長たちに「自分たちの考えを言語化できた」と喜んでもらえているのと、
「ページビュー1,000!! ちひろさんありがとう!」と、なんか社長の成川さんが喜んでくださっているのを見ると、がんばろ〜って思うのでした。
ボランティアの難しさ
一方で、ボランティアという立場上難しいこともいくつかあります。
まず「給料というモチベーションがない」ということ。
人間誰しもテンションの波ってあって、毎日、毎月同じパフォーマンスができるわけではないですよね。
エイヤ! っと、ちょっとだけ無理して仕事する日もある。
それが義務であり、責任であり、信頼してくれている会社への当然の態度でもあるから。
でも、生活を支える「給料」という関係を結んでいない分、自分の暮らし全体における優先順位はやっぱり少し下がります。
娘の離乳食を飛ばしたり、夫に娘を見てもらって活動していることもありますが、それはやりすぎなのかも。
会社のビジネスとして、そして市場全体で見ても、無償ボランティアがやっていい範囲ってあるような気がする。
今は「期間限定だから」と、できるだけ会社に成果を残そうとしているけれど、これって長期的に誰かの不利益になっていることもある? なんて立ち止まることも無きにしもあらず。
とはいえ、ボランティアが在籍することも、組織にとってはコストになります。
事業の一部を任されている以上、無責任に放棄するなんてことは自分が許せない。
昔からこのあたりの塩梅が苦手で、やりすぎてしまうことがしばしばありました。
その点は、時間や給料という雇用関係で結ばれているほうがコントロールしやすいのかもしれません。
やってよかった
総合的に、私は育休中という限られた時間に、この会社でボランティアをさせていただけた経験は宝だと思っています。
「こんな社長がいるんだ」
JPTの社長である成川さんは、いい意味でとても社長らしくない人です。
でも、深く付き合ううちに「ああ、この人は人の上に立つ人だな」と、だんだん自分の中で納得感が広がっていきます。
特例子会社という特殊な状況も手伝っているかもしれないけれど、
今まで自分が出会ってきた社長とは全然タイプが違いました。
従業員の話を徹底的に聞くこと。
彼らの活躍できる環境を作ること。
この実現のため、実際には泥臭い仕事を日々されているんだと思います。
私が公式noteに書いているほど、きれいにまとまることはない。
似たような年齢なのに(同い年かもしれん)、人間としての器がでかくてすごいなあと思います。
夫の新たな一面を知れた
JPTの研修に参加した際、隣で聞いていた夫といろいろと事後感想のようなことを語り合った時間がありました。
詳しくは割愛しますが、世の中でマイノリティと呼ばれる人たちに対して夫が感じていることを聞けて、衝撃を受けました。
簡単に言うと、
「こいつ、こんなに深くてエエやつやったんか」と感動しました。
他にも、働いている夫に対して尊敬の念が育ちました。
育休タイムが娘オンリーにならなかった
うちの娘、非常にかわいいんですよ。
ほっといたら、私は娘にかかりきりになっていたと思います。
心配も、ネット検索も、おうち遊びも、児童館巡りも、もっとしていたと思います。
でもボランティアをしていると、それらに割く時間が物理的に減りました。
それがおそらく私には、よかった。
これから自分がどんな人生を歩むのか、どんなことで人生を埋めていくのか、まだわからないことも多いですが、
ママボランに登録して、JPTという会社に出会えてよかったな、と思っています。
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