毎日をひとつずつ積み重ねていく
私ってこんなに疲れやすかったっけ?
今、毎日がそんな思いだ。
帰宅したらソファでそのままいつの間にか寝落ちしている。そして夜中に目覚めて化粧を落としてなかったことに気付いてメイクを落とし、着替えを済ませて布団に入りまた眠る。
転職して1週間が経った。あっという間に過ぎていった気がする。周りの人たちは優しく親切で、覚えることは多いけれど基本的に内勤がメインなので人と接する機会というのはそう多くない。それなのに、毎日定時に上がってはぐったりとしている。あ〜〜しんど……とつい口に出てしまう。
これはよくない癖なのだが、起こってもいない未来の不安の種をあれこれ思い浮かべては、こうなったらどうしよ……と一人で不安になったりしている。前向きな自分が疲れの度合いと比例して引っ込んでいって、疲れを取ること、ちゃんと眠ること、気分をリセットさせることって大切だなぁとしみじみ思う。
もう休職をしたくないので、「無理しない」「頑張りすぎない」「自分を楽な方向に持っていく」「ただのいい人にならない」素地づくりみたいなことを意識している。意識するのはいいが、それに不安が前のめりに被さってくるものだから、なんだか延々と答えの出ない、起こってもない後ろ向きな未来について考える人になってしまっている。よくない傾向だ。
明るくポジティブな自分でいたいのに、ぽろっと友人に愚痴をこぼしてしまっていたりする。ああ、だめだ、こんなんじゃ。そんな風に思っていたら、そんなもんだよという言葉が返ってきて、みんなこんなものなのか、と妙に安堵したりもした。
今の私は仕事に関しては未経験の分野にいて、でもこれまでの経験があらゆる角度から活かせたりもする。
生きてくためにその時出来た中で一番良いと思われる選択をした。前向きな選択であったはずなのにあれこれ考えてしまうのは、自分の中で折り合いをつけられていないものがあったり、単純にまだ仕事や人間関係に慣れてなくて自信をつけられていないからなんだろう。
でも、だから何なのだ。今できる中でやりたい、なりたい自分を創っていけばいいし、今後変わりたくなったらその時はその時でまた変わっていいのだ。変わることに誰の許可もいらないし、私が私をがんじがらめにする必要もない。チャレンジしたいことができたら、チャレンジしてみればいい。まぁただ、性格上、礼節は重んじたいけれど。それ以上でも以下でもない。
だいたい、全部が全部に折り合いをつけて生きてる人がいるのか、という話だ。置かれた環境で納得のいく自分を見つけたり、あるいは見つけられなくて迷ったりもがいたりしながら、それでもみんな生きてるんじゃなかろうか。
辻仁成さんがよく「誰の人生だよ」とツイートやエッセイで言っているのを思い出した。それ以外にも、励ましのような言葉や、後ろから背中をそっと押してくれるような温かく時に力強い言葉たちに力をもらっている。あれらは自分に言い聞かせているのだ、と仰っているのを見かけたことがある。
私から見たら、素晴らしい文章で彩をくれ、富と名声、人生の酸いも甘いも知っていて、人間としての深みを帯びた人でさえ、自分を鼓舞し、励まし、言い聞かせながら毎日を過ごしているのだ。
こんな時もあるよね。
私のネガティブな想いごとは、そう思ったらなんだか急にさらさらとしたものに変わって、じめっとした湿気がなくなった。
今の私にとっての最善ってなんだろう?
根がクソ真面目な私はそんなことを考える。だけど、さっきより肩の力は抜けている。そんな頭と体と心で巡らせた結果、シンプルな答えにいきつく。
毎日を積み重ねていこう。
今をひとつずつ重ねて乗り切って過ごしていたら、未来になってるから。
私が大切にしたいことって何だろうと考えた時に、今の生活を手放したくない、が最優先だった。贅沢な暮らしをしているわけではない。でも、惨めなわけでもない。ささやかでありふれた日常に小さな幸せを感じて、穏やかに暮らしていきたい。その土台を維持できる人でありたい。
それを叶えるためには、やっぱり稼ぎが必要だし、備えも必要。私は私をメンテして立て直していかなくちゃ。そのスタート地点に立つのにここ数か月頑張って、今はスタートを切ったところにいる。私、ちゃんと前に進んでる!! えらい!! 素晴らしい!! よく頑張ってる!!
試しに自分で自分のことをぎゅっとして頭を撫でてあげたら、気恥ずかしい気持ちになって照れ笑いなんぞ浮かべてしまい、それを傍観していたもう一人の私が「何やってんの」って笑ってた。
歩む道がどこに続いてるのかなんてわからない。行きたい方向に向かって走っていったら、一方通行で引き返す羽目になったり、通行止めに出くわしたりして地団駄を踏んで、予定とは違う道を走っていたりする。けれど、その時々でちゃんと行き先を見直して、標識もチェックして、時には寄り道したりしながら、いい景色が拝めたら嬉しい。途中でおいしいものを食べたり、いい出会いがあったりしたら、尚嬉しい。
新しい環境で気張り過ぎてお疲れモードの私には、癒しが必要だ。
そんなわけで、甘いものを食べたり、気分が上がる小物やコスメを手に入れるべくお出かけしたり、おいしいコーヒーを飲んでひと休みしたり、ちょっといい入浴剤で長風呂をしたりして休日を過ごそうと思う。
私は私をご自愛しまくる。
みなさまも、日々を生きていてえらい自分をどうぞ労ってあげてくださいませ!