見出し画像

ブロンプトンのタイヤ交換

9月になり、以前にリアタイヤを交換してから累計走行距離が3,000kmを越えたころ、タイヤから「そろそろ交換してー」という声が聞こえてきました。

この緑色の部分がそうです。シュワルベのタイヤは二層構造になっていて、溝のある黒い部分が削れてくるとこの緑サインが出てきます(下図参照)。

ブロンプトンは後輪に内装ギアを装備しているため、ロードバイクのようにクイックリリースができず、リア側のパンク修理やタイヤ交換がわりと面倒です。
noteにブロンプトンの後輪外し方法を探しにくる人もいないかとは思いますが、自分の作業記録をつける意味も込めて、今回はブロンプトンのリアタイヤ交換のもようを写真に収めてみました。
全体像を写していませんが、車体を逆さまにして作業中です。整備作業に入る前に、内装ギアは2速(ミッド)、外装ギアは一番重いギアに入れておくと、作業がしやすくなります。

1)チェーンインジケーターの固定ナットをゆるめる

まずはここを緩めます。指で締め付けただけだと、走行中に緩んでしまうので、締める時も緩める時もペンチを使うのがベターです。

2)チェーンインジケーターを抜く

内装ギアを変速させるこの装置は、先がネジになっているので、反時計回りにねじってやれば抜けます。差し込むときは時計回しです。

3)チェーンテンショナー固定ナットをゆるめる

15mmのレンチで、反時計回りにトルクをかけると外れます。100均で買った安物の多目的レンチですみません。
固定ナットの後ろに入っているスペーサーには裏表がありますので、外したときの向きを忘れないようにしましょう。

4)チェーンテンショナーを外す

固定ボルトが外れたら、テンショナーを手で外すことができます。チェーンの通り道を忘れやすいので、ここで確認しておくとよいです。
外装変速のある6速・2速モデルのブロンプトンなら、「外装変速機にチェーンが通るようにする」ことを忘れなければ、間違えないかと思います。

5)後輪の固定ナットをゆるめる

左右両側についている車輪の固定ナットを緩めます。ここも15mmのレンチで外すことができますが、外してしまう必要はなく、ある程度ゆるめて、次の手順の「ツメ」が動かせる程度にすれば十分です。

6)後輪の固定ツメを外す

ナットの後ろに入っている、写真でレンチをひっかけている部分が「ツメ」です。テコの原理で力をかけてやると、後輪を車軸に固定していた最後の部分が外れます。外れにくいときは、ホイールを手で持ち、ちょっと前後に揺すってやるといいです。

7)タイヤから空気を抜き、上に持ち上げて外す

タイヤに空気が入ったままだと、ブレーキシューにタイヤのサイド部分が引っかかり、外すことができません。パンクしたときは空気が抜けているのでいいですが、通常の掃除やタイヤ交換では、あらかじめ空気を抜いておきましょう。
もしくは、片方のブレーキシューをキャリパーから外しておくのもアリです。その場合は後でブレーキ位置を調整してやる必要があります。

さて、これでやっとタイヤが外れました。クイックレバーのついているロードバイクに比べ、軽く10倍は時間がかかります。慣れてくれば10分とかからずこの作業をこなせるようになりますが、ブロンプトンは結構手のかかる子であることがお分かりいただけたでしょうか。おつかれさまでした。

……まだ何も終わってねえ!
はい、ここからタイヤ交換です。パンク修理の場合は、チューブだけ新しいものに交換する感じで読んでいただければ幸いです。

8)ビードを出す

普通の自転車と方法は同じです。タイヤにタイヤレバーを差し込み、ビードに引っ掛けて持ち上げ、リムの外側に出してやります。最初はバルブの反対側からビードを出していくのがコツらしいです。

世の中には、このビードを出す作業で、タイヤレバーを1本しか使わない人や3本使う人など、いろんな流派の人がいますが、私は2本レバー流派に属しています。
バルブの反対側に2本レバーを差し込み、ビードが出た部分を確保したら、2本目のレバーをそのまま横に滑らせ、1周させるという方法です。

やりました(加賀さん風に)。
タイヤの片側が全て外れた状態になったら、チューブを引っ張り出すことができます。パンク修理ならここからチューブのみ交換します。

9)リムテープを交換する

タイヤを全て外すとリムが見えます。現行のブロンプトンはリムの仕様が変わっているらしいですが、2012年以前のブロンプトンはリムにスポークの金具が飛び出しているので、こうしたテープを貼っておいてやらないと、金具がチューブを傷つけてしまいます。
私はこの「ゼファール コットンリムテープ 幅13mm」を使っています。3,000kmほど走行しても、リム打ちによるパンクは一度も起こさなかったため、チューブ保護性能に優れたリムテープだと言えるでしょう。

バルブ穴がズレないように、穴の部分に六角レンチを突き刺して、くるくるとリムテープを巻いていきます。
常に高圧のチューブに押し付けられている部品ですので、1年に1回ぐらい新品に交換しておいてあげると、パンクの発生率はグーンと下がるはずです。

10)タイヤをリムに押し込んでいく

パンク修理やタイヤ交換で一番憂鬱な時間がやってまいりました。(8)の手順とは逆に、タイヤとチューブをリムに押し込んでいくわけですが、最初のほうはタイヤの伸びに余裕があるので、らくらくチューブとタイヤを押し込むことができます。
しかし、写真のように、全体の3分の2ぐらいを押し込んだところから、だんだんタイヤが固くなってきて、はめこむのが苦しくなります。両手でタイヤを揉み込み、リムの谷間にタイヤを落とすようにして押し込んでいってください。結構力がいります。
この「タイヤはめ」の作業、なんかコツがあれば誰か教えてください。

11)タイヤがチューブを噛んでいないか確認する

やりました(二度目)。
タイヤがリムにはまったら、タイヤがチューブを噛んでいないか(挟んでいないか)、グッと指で押して両側ともに確認していきましょう。挟まっていたら、指でタイヤを揉み込んでやるといいです。
チューブを噛んだまま空気を入れると、バーストします。新品のチューブがいきなりダメになるばかりでなく、もう一度タイヤのビード出し→リム入れの作業を繰り返すことになるため、それはもう、それはもう本当に絶望します。
ましてやブロンプトンの場合、タイヤに空気が入っていると後輪を組み付けられないため、後輪を取り付ける作業が全て終わったあと、空気を入れてバーストしたりしたら目も当てられません。全部やり直しになってしまいます
ロングライドイベントなどに参加中で、急いでパンク修理をしなければならない場合は、遠回りでもブレーキシューを外したうえで、いったんこの時点で空気を入れてみて確かめるのがいいでしょう。

12)後輪を元通りにセットする

今までと逆の手順で後輪を取り付けていきます。ブレーキシューを外していない場合は、後輪を取り付けてから空気を入れましょう。
(6)の手順の「ツメ」には上下があるのでご注意ください。車体を逆さまにして作業している場合は、「TOP」と書かれているほうが下になります。こんなミスをするのは私ぐらいかもしれませんが……

これで作業終了です。試走してみましたが、やはり新しいタイヤはグリップがしっかり効いて気持ちいいですね。
ブロンプトンも前輪は構造が単純なのですが、後輪はこんな感じで、とにかくいろいろ大変です。私はまだ一連の行程に30分~40分程度かかってしまいます。

手が掛かる子ではありますが、そこは頑丈なブロンプトンのご愛嬌。次の数千kmもよろしくお願いします、と祈りつつ、次は前輪も一緒に交換しないといけないなと思っています。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!