ブロンプトン・バイシクルについて
私がブロンプトン・バイシクルを購入して2年ほどが経ちました。ここではブロンプトンの魅力について簡単に語らせていただきます。
ブロンプトン・バイシクルはイギリス生まれの折りたたみ自転車です。ロンドンの自転車職人さんがハンドメイドで作り上げるこの自転車は、コンパクトさと乗り心地がバランスよく両立された傑作だと私は思っています。
たたんだ状態では、たてよこ約60cm、幅約30cmというたいへんコンパクトな設計で、大きなスーツケース(専用のものもあります)に入れて持ち出せば、飛行機に乗せて海外に連れ出すことも可能なところが魅力です。下の写真はニューヨークに連れ出した際のものです。
折りたたみ構造もわかりやすく、不器用な私が「うーん、どうだっけ?」と毎回考え込みながらたたむ時でも、30秒もあれば作業が終了します。そのまま室内に持って入れば、盗難にあう心配もありませんね。下記の写真は隅田川沿いでたたんでみた時のものです。
16インチのタイヤは小柄ですが、走行性能も良好です。スポーツバイク並に前後のギア比が高いので、ペダルが一回転する間に進む距離も長く、1日に80~100kmぐらいの行程の、ある程度のロングライドにも耐えられます。もっとも、これは反面、女性や初心者にとっては通常のギアではペダルが重い、ということでもあるのですが……(軽いものに交換することも可能です)。
折りたたみ自転車にコンパクトさのみを求めるのであれば、もっとコンパクトな「CARRY ME」や「STRIDA」などに軍配があがります。しかし、これらの超コンパクトな自転車は、さすがにタイヤが小さすぎて長距離走には向きません。
コンパクトさとツーリングにも耐えられる走行性能の高さが両立しているという点で、輪行してのツーリングをよくする人にとっては、まさに理想の折りたたみ自転車だと言えるでしょう。
ほら、新幹線のシート(最後列)と壁の隙間にも、こんなにスッポリ収まっちゃうんです。ロードバイクを輪行するときのように、電車を降りてから組み立てる作業もいらず、駅を降りてから数分で走り出せる軽快さは、他では得がたい魅力だと言えます。また、旅先で自転車本体に重大なトラブルが発生することがあっても、とりあえずたたんでカバーにくるみ、公共交通機関を利用すれば無事に帰宅することができるのも安心ですね。
もちろん、ブロンプトンにはマイナス点もあります。1点目は、その重量。通常のクロモリ製のフレームのものでは、モデルによって多少の差はあるものの、およそ11kg~12kg。ロードバイクよりもかなり重いですね。ここにキャリアなどの付属品を追加していけば、さらに重くなります。ショルダーストラップをかけて背負いながら駅の階段を昇り降りすると、地味に疲労が溜まっていく重さです。
2点目は価格です。これもモデルによって差はありますが、本体価格のみでおよそ16万円~18万円。オプションパーツを乗せていけば、20万円は軽く越えてしまいます。私も購入するときには清水の舞台から飛び降りる覚悟でした。
というわけで、ブロンプトンの魅力は「輪行してのツーリング時に最大に発揮される」というのが私の持論です。上記2点の欠点も、旅行先でのサイクリングを最高に楽しくしてくれるアイテムだと考えれば、十分許容範囲内のものだと思います。短距離の通勤や通学には若干オーバースペックな自転車ですが、もちろん日常でも活躍してくれるでしょう。
ちなみに、ブロンプトンと同様に、コンパクトさと走行性能を両立させた傑作折りたたみスポーツバイクと言えばもうひとつ、ドイツの「BD-1」が挙げられます。BD-1もたいへん素晴らしい自転車で、私も最後まで購入を迷いました。
ノーマルでは最大でも6段変速機構しか有しないブロンプトンに対し、8~11段変速が可能で、タイヤも18インチホイールを使用するBD-1は、走行性能においてブロンプトンを大きく上回ります。高性能なモデルには、なんとディスクブレーキまで搭載されているんだとか。欲っすいー!!
一方、折りたたんだ時のコンパクトさは、ブロンプトンのほうがBD-1よりも一回り小さくなっています。地味に見えますが、よりコンパクトになるという点は輪行時に大きなメリットとなります。
お互いに一長一短ですね。よりスポーティブなBD-1と、よりカジュアルなブロンプトン。私の場合は、カジュアルさとコンパクトさの魅力が上回った形になります。
ツーリングやカスタマイズの記事も少しずつ書いていこうと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。