kohige

会計と税法について学習してきたことを記事にします。

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最近の記事

経過勘定の整理と計算問題の解き方

経過勘定の理屈を整理するとともに、計算問題の解き方を提案します。 はじめに経過勘定は、簿記の学習を「ルールの習得」から「理屈の理解」に変化させることに適した題材です。経過勘定に関する会計処理をパターン化した何個かのルールを暗記するよりは、「発生主義」という一個の理屈を理解した方が簡単なためです。 とはいえ、経過勘定の「発生主義」という核心の部分はともかく、発生主義による収益費用の認識を達成するための仕組みを理解することは、決して簡単なことではないとも思います。この記事では

    • 原価差異の「符号」と「有利不利」を考える

      「原価差異は原価である」という話を出発点に、原価差異の「符号問題」を考えます。 原価差異とは何か原価計算基準は、原価差異を以下のように定義しています。 また、原価差異を以下のように処理することを求めています。 原価差異とは、予定原価又は標準原価(以下「標準原価」とします。)と原価の実際発生額の差額をいうとありますが、損益計算書の売上原価となる原価は実際発生額であることから、その差額もまた実際発生額の一部です。よって、原価差異を「財務会計上適正に処理」するとは「原価差異を

      • シュラッター図を作図しない差異分析

        製造間接費の差異分析の説明にはシュラッター図が使われますが、作図のための手数やスペースが必要になるという小さくない欠点もあります。そこで、シュラッター図を作図しない差異分析の方法を検討します。 「シュラッター図」とは何なのか製造間接費差異は「能率差異」「操業度差異」「予算差異」に分解されますが、その中身をどのように分類するかについては歴史的な議論を反映した幾つかのバリエーションがあります。シュラッター図は、これらの分析方針の相違に耐えられる形で、製造間接費差異を分解できる優

        • 税効果会計の「難しく感じる」を解消する

          税効果会計が「なぜ難しく感じられるのか」という感覚的な話を取り上げ、その「難しく感じられる」の解消を目指します。 はじめに複式簿記は、ご存知のように取引を貸借で二重に記録していきます。取引に借方と貸方に記録されるべき2つの要素があることを「取引の二重性」といいますが、簿記にはこのような相対的な思考を要求する要素がたくさんあります。借方と貸方、勘定間の関係(勘定連絡や転記)、収支計算と損益計算の関係、純利益と株主資本の関係、個別財務諸表と連結財務諸表の関係といったものが典型で