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コンペをやめるだけで得られる人生の幸福
これまでの25年、私は数多くのコンペに参加してきました。成功体験もあれば、何度も落選の悔しさを味わった経験もあります。
そんな私が、経験を積み重ねた末に辿り着いた結論があります。
それは「コンペには参加しない方が良い」ということです。
これは単なる失敗の言い訳ではなく、むしろ中長期的に見て、自分の人生を幸福にするための戦略だと確信しています。
コンペの本質:対等性の欠如
コンペとは、基本的に「選ばれる」プロセスです。
選ぶ側であるクライアントが圧倒的に有利な立場に立ち、私たちはその判断を待つ受け身の状態に追いやられます。この時点で、プロジェクトのスタートラインに立つ前から、クライアントとの関係は対等ではありません。
そして残念ながら、一度このような上下関係が生まれると、プロジェクトが進む中でもそれが逆転することはほとんどありません。
むしろ、クライアントの指示に従うだけの「下請け業者」のような立場になりがちです。この非対等な状況が続くことで、物理的にも精神的にもストレスが蓄積されていきます。
対等な関係の重要性
プロジェクトを成功させる上で、クライアントとクリエイターの関係が対等であることは極めて重要です。対等な関係であれば、お互いに尊重し合い、信頼し合うことが可能です。これにより、双方が最大限のパフォーマンスを発揮し、プロジェクトに良い結果をもたらすことができます。
しかし、コンペという形式では、そもそもこの対等性を構築する土壌がありません。クライアントの方が上の立場にあり、その力関係がそのままプロジェクト全体に影響を与えるからです。このような状況下で、クリエイティブな提案が本当に活かされるのかといえば、非常に厳しいでしょう。
選ぶ側になることが最善策
では、コンペを受けないためにはどうすれば良いのでしょうか?それは、自分の実績をしっかりと多くの人の目に触れる形で発信することです。SNS、ブログ、YouTube、本の出版など、方法は無数にあります。ポイントは、自分の能力や成果を「見える化」することです。
こうした取り組みによって、自分に興味を持ったクライアントの方から声がかかる状況を作り出します。このアプローチにはいくつかのメリットがあります。
選ばれるのではなく、選ぶ側になる
クライアントが自分を探し、声をかけてくる状況では、こちら側がプロジェクトを受けるかどうかを判断する立場になります。この段階で対等性が保たれ、対話がスムーズに進む可能性が高まります。信頼できるクライアントを選べる
プロジェクトを受ける前に、クライアントが誠意を持って対応しているか、素直なコミュニケーションが取れるか、お互いにリスペクトできる関係を築けるかを慎重に見極めることができます。長期的な幸福を追求できる
クライアントとの非対等な状況によるプロジェクトに振り回されることなく、自分が心から取り組みたい仕事に集中することができます。これにより、精神的にも安定し、クリエイティブな成長を続けることができます。
(人間)心理をデザインするという考え方
ここで重要なのは、「(人間)心理をデザインする」という視点です。コンペという形式に参加することは、クライアントに対して自分の価値を低く見せる心理的なメッセージを送ることになります。
一方、自分の実績や価値観を積極的に発信することは、逆に「自分にはこの価値がある」というメッセージを社会に送る行為です。
結果として、自然と同じ価値観を持つクライアントが集まり、対等で建設的な関係が築ける可能性が高くなります。これは単なる仕事の話ではなく、人生全体の質を向上させる大きな一歩になります。
まとめ
コンペに参加することが完全に悪いわけではありません。特にキャリアの初期段階では、経験を積むための手段として活用することも一つの選択肢です。
しかし、長期的に見れば、自分の実績を見せる仕組みを作り、選ばれる側から選ぶ側に立つことが、人生の幸福度を高める鍵だと私は確信しています。
あなたも、まずは自分の価値を発信することから始めてみませんか?心理をデザインすることで、自分らしい仕事と人生を手に入れる一歩を踏み出しましょう。