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心の距離を縮める魔法 「段階」を踏むコミュニケーション術

皆さんは、スマホアプリを使うときに、いきなり全ての機能の説明を見せられても戸惑いませんか?

「まずはここを見て」「次はこれを試してみて」と、段階的に誘導されるからこそ、私たちはアプリを使いこなせるのです。

実は、この「段階を踏む」という考え方は基礎的ですが、非常に重要です。

マーケティングの世界ではこの「段階を踏む」という方法を「ファネル」と呼びます。商品やサービスを売るための重要な戦略の一つです。

ファネル。段階を経て徐々に狭くなっていく

人間関係にもあてはまる「ファネル」の考え方

この「段階」という考え方は、マーケティングだけでなく、人間関係にも応用できる非常に重要なポイントです。

例えば、恋愛において、いきなり告白してうまくいくケースは少ないですよね。相手との関係性を少しずつ深め、信頼関係を築いていくことが大切です。

職場や家庭のコミュニケーションにおいても同様です。上司に意見を伝える場合、いきなり本題に入るのではなく、まずは雑談などを通して関係性を築き、それから徐々に本題へと移行することで、スムーズにコミュニケーションをとることができます。


なぜ「段階」を踏むことが大切なのか?

人間は変化を恐れる生き物です。新しい状況や関係性に飛び込むことは、心理的な安全性に対する脅威となり、不安を感じます。
段階を踏むことで、この不安を軽減し、安心して変化を受け入れやすくなります。

また、新しい情報や経験が、既存の価値観や信念と矛盾すると、人は不快な心理状態になります。段階的に変化を進めることで、この不協和を最小限に抑えられます。

さらに、段階的なアプローチは、小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、次のステップへのモチベーションが向上するという学習効果も期待できます。
まるで階段を一段ずつ昇るようなものです。

つまり、「段階」を踏むことは、単なる時間的な区切りではなく、相手への配慮であり、変化に対する心理的な準備なのです。
心理学的な視点から見ると、「段階」は、人間が持つ心理的な特性と学習プロセスに合致した、より効果的なコミュニケーション方法と言えます。

そのため「段階」を意識することで、より円滑で良好な人間関係を築くことができるということなのです。


まとめ

脳は、新しいことを学ぶたびに、神経細胞間の接続(シナプス)を強化したり、新しい回路を形成したりします。
このプロセスには時間がかかり、一度に多くの情報を処理することができません。一度に大量の情報を与えられると、脳は処理しきれず、ストレスを感じてしまうのです。

ですので段階を経て、時間をかけて徐々にその人の脳に情報を教え込むというプロセスが必要になるのです。

人間関係も、新しい関係性を築くときには、段階的に情報を交換し、相手との理解を深めていくことが大切です。

ぜひこの人間心理の考え方を意識していただき、周囲の方とのコミュニケーションをデザインしていただければと思います。

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