これからのオンライン研修を考えるにあたって気になっている7つのこと(5000字)
皆さん、こんにちは!ビジネス・ブレークスルーの高松康平です。
日々、教育サービスを創って、講師をしたり、運営事務局をしております。最近は、「いまだからこそできるオンライン教育」とは何かを考えています。
これまでもオンラインサービスを提供してまいりましたが、最近になってオンライン教育に対する期待値は大きくなっているように感じています。さらに、Zoomなどを代表とするテクノロジーも進化していて、オンライン教育の更なる可能性を感じています。
そこで、今日は、これからのオンライン教育を考えるにあたって、私が気になっている7つのテーマについて書きたいと思います。
色々と書いていたら、5000字になってしまいました汗。
お付き合いの程、宜しくお願いいたします。
まず、集合研修とオンライン研修は全然違うと感じています。
どれくらい違うのか?
これくらい違います!
左側が、研修講師として活動する際に使っているプロフィール写真。(自分でいうのもあれですが、ドヤ顔感が嫌ですね)
右側は、毎週水曜日にお届けしているZoomでのライブ講義(なんだか楽しそうですね、私。。。笑)
写真の選び方が恣意的だ!
そんな突っ込みが入りそうですが、集合研修とオンライン研修の違いは大きいと感じています。では、何が大きく違うのでしょうか。感覚的にはなんとなくわかるが、丁寧にまとめたことありませんでした。
私は、2019年度でいうと集合研修を年間100日くらい登壇させていただきました。その一方で、Zoomでのライブ講義も40~50回は実施していますし、映像講義も30時間分くらい収録しました。
その経験から言えることは、どっちも楽しいですし、効果があると思っています。でも、運営側として気をつける点は大きく違うと感じています。
集合研修をそのままオンライン研修で実現しようとするのはやめた方がよい。というわけで、前置きが長くなりスイマセン。これからのオンライン研修を考える際に気になっている7つのことをご紹介します。
テーマ1:カリキュラムの作り方
集合研修のカリキュラムをそのままオンライン化しても、うまくいかない部分があります。また、オンライン教育といっても、いろいろな形式があるので、その形式に合わせてカリキュラムを作らないといけない。
例えば、9時~17時で提供していた集合研修をそのままライブ研修で実施しようと思っても時間オーバーになります。肌感覚として集合研修でやってた内容をZoomで提供すると時間が1.2倍~1.5倍くらいかかります。
また、集合研修だったら。1.5~2時間に一度くらい休憩を入れていますが、オンライン研修だったら1時間に一度くらい休憩が欲しい。肌感覚ではあるが、講師も受講生も60分くらいが集中できる限界。あと、細かい点ですが、集合研修の講義中だったらお手洗いに行きたければ適宜自由に行ってもらえればokでしたがオンラインだと難しくなりますよね。(Zoom ミーティングの場合、あいついなくなったと不安に思われる。この辺りも工夫次第ですが、お手洗い中だというフラグを立てなきゃいけないとなったら、それこそ監視されている気がして、そんなの嫌です。私は嫌です。)
他にも気になる点はあって、研修のインプット講義って、みんな一緒の時間に受ける必要って、あんまりなくて、各自のレベル感や理解度にあわせて自由に受けた方がよい。だから、インプット部分は映像講義である程度受けてもらったり、書籍で学んでもらった上で、オンラインLIVEで復習講義→質疑応答をして一気に演習に入ると、とても効果的です。
さらに、注意が必要なのは、オンライン教育と一言にいっても色々な種類があることです。
そのタイプ分けは昨日の記事をご覧ください。
こういったオンライン教育のタイプを理解した上で、カリキュラムを作る必要があります。一般的な流れである①イントロダクション②インプット講義③個人ワーク④グループワーク⑤発表⑥フィードバック⑦振り返りという一連の流れを、どうオンラインで組み立てていくのか考えていく必要があります。
テーマ2:学習スケジュールの変化
研修といえば9時~17時ですが、オンラインならば、もっと柔軟になっていいですよね。じゃあ、どのような学習スケジュールを作ればよいのか?
学習スケジュールは、テーマ1のカリキュラムと大きく関連しますが、時間の考え方は大きく変わると思うので、あえてテーマ2として取り上げています。
集合研修は、だいたい9~17時が多いですよね。全国、もしくは、全世界から集まるので、せっかくだから1日、もしくは、宿泊ありで一泊二日、二泊三日・・・での集合研修が多かったと思います。
でも、オンラインで実施して研修場所の移動がないならば、別に9時~17時にこだわる必要がない。じゃあ、どういう風に時間を使うのか?
まず今まで通り、9時~17時という1日研修をオンラインで提供できるかという疑問が出てきます。これは、既にいくつかの会社様に1日オンラインZoom研修を提供させていただきましたが、全く問題ないと思います。ただし、カリキュラムの時間配分は変える必要があります。
その一方で、オンラインであれば受講生の移動の必要性はないので、1日フルで研修をやることにこだわる必要性は薄くなります。だったら、3時間くらい集中してオンライン研修を受けて、事前事後課題をたっぷり取り組んでもらうという手もありますね。
そうなると、研修会社は、その時間にあわせて柔軟にカリキュラムを作れるかが勝負になります。つまり、同じカリキュラムを大量提供している研修会社は厳しいわけで、研修カリキュラムを柔軟にプロデュースする力が大切になってきます。(BBTはカスタマイズ大歓迎ですので、ご相談お待ちしております!)
このように、1日の使い方でも、長期間にわたる研修でも、どうやって学習のリズムを作っていくのか。
企画側が凝りすぎて、複雑で分かりづらいスケジュール作ると誰もついていけず失敗しますが、大いに工夫の余地があります。
テーマ3:講師と受講生の関係性
リアルの場だと、講師1名対多数の受講生(講師は、権威的な存在であるという関係性)が明確ですが、オンラインになると講師と受講生の関係がよりフラット(N対Nの横の関係)になる気がしています。じゃあ、どのように、講師と受講生のより良い関係を作っていくのか?
集合研修のときって、講師が登場すると拍手で迎えていただけるときがあるのです。お金をいただいて講師するのに有難いなーと感じていました。つまり、講師と生徒という、1対Nの関係性が出来上がっています。こういう関係性が前提として作りやすいので、講師は教えやすい。一人だけ前にいますし。
でも、オンラインになると、関係性がよりフラットになると感じています。オンライン上の世界は、N対Nの関係性ともいえます。
そうなると、講師は権威的な存在になるよりも、受講生にとってお兄さん的存在、お姉さん的存在になることが求められる気がしてますし、その要望に応えられるかが大切だと思っています。
また、講師側が発言しやすい雰囲気を作らないと、オンライン上で積極的な発言もしづらいと思いますので、その関係性をどう作っていくかは考えていかないといけません。
テーマ4:講師のデリバリースキル(話し方)
面白い話はリアルでもオンラインでも面白い!つまらない話はリアルだったら耐えられるかもしれないが、オンラインだとキツイかも。どうやって興味の湧く授業をお届けできるのか?話し方のコツは?
つまらないYouTube番組だったら、すぐに違うチャンネルに変えられちゃいます。オンライン教育も、その同列として評価されてしまうわけです。じゃあ、どうやって、興味を湧く講義をお届けできるかを考えなければならないと思います。
例えば、話すスピード。私は、オンラインで話すときは、相当早口にしています。ゆっくり話すと、自分であとで見ると、相当ダルイ授業に感じます。相当早口で話しても、その後受講生の方に感想を聞いても、それくらいが丁度よいという意見も多い。スピード一つとっても、講師と受講生の感覚は違うと思います。
また、BBTでの取り組みですが、講師は必ずしも一人で話す必要はないので、キャスターやモデレーターとともに、2名体制で提供するということも有効です。ずっと講師が一人でぼそぼそ話すのは聞いているのはつらい。講師とキャスターのおしゃべりを聞く感覚で授業を聞けます。
このように、オンライン教育のスタイルに合わせて、講師のデリバリースキルも進化する必要があります。
テーマ5:授業内のコミュニケーション
授業の中でのコミュニケーションは、講師→受講生だけではもちろんありません。受講生→講師もあれば、受講生→受講生もあります。つまり、N対Nのコミュニケーションをどう実現するのか?できる人、主体的な受講生はどんどん参加してくれるけど、少し理解が遅れた生徒に対するフォローはどうすればよいの?
例えば、集合研修で演習をスタートする際に良く起きること。
講師 「それでは、演習スタート!」
多くの受講生は、すぐにスタートしてくれますが、一部の受講生が講師にその演習の取り組み方について質問をしてくれます。
また、一部の受講生は、隣の受講生に対して、
受講生 「これって、こういうことであっている?!」
こういうことが起きます。講師がわかりやすーく説明しても、受講生同士のサポートや教えあうことは学びに非常に重要です。リアルでの学びだと、こういうコミュニケーションが自然にできるのですが、オンラインになったときに、どうやって実現するかを考えないといけないですね。やり方・コツがありますね。
テーマ6:ライブ講義の運営体制・スキル
オンライン研修というと、デジタルな世界ですごく楽な運用ができるようなイメージがありますが、人と人が行う教育の運営はすごくアナログな部分があると思っています。また、研修運営にはミスが起きる。じゃあ、どんな運営体制を作ればよいのでしょうか?
オンライン研修を安定的に提供するためには、裏方の力がとても大切になります。研修の成功のためには、講師だけでなく、運営の企画・運営する力がこれまで以上に重要になると思います。
また、絶対にミスが起きる。回線が切れた。URLが使えなくなった。音声の聞こえづらい・・・。そういう不測の事態が起きた時にどう対応するのか?
ここの経験値を蓄えていくことが必要です。BBTでは、講座の運営を担う職種である「教務職」を担う社員が一番多い。Eラーニングというオンラインのサービスでも、顧客接点においては、丁寧な人のサポートがやっぱり大切だと思っています。
今後、オンライン教育が拡がっていけば、その組織の誰でも安心してオンライン研修を運営できるようなノウハウを言語化していかなければいけません。
テーマ7:オンライン教育を実現するIT環境・ツール
新しいツールをうまく使っていく。Zoom、WebEx、Teams、Skype・・色々あるけど、とにかく色々と実験しながら試していく。また、受講生の受講環境の整備がもっと大切。
Zoomの話題は毎日のようにニュースになっていますが、こういったテクノロジーの進化についていかなければいけません。何か新しいツールが出たら、すぐに使ってみる。で、良いものがあれば、どんどん使っていく。
また、新しいツール選びも大切ですが、教育の基盤となるプラットフォームをどのように作るかも考えないといけません。BBTでは、AirCampusという遠隔教育システムを提供しています。
(エアキャンパスとは?)
さらに、受講生の環境整備もとっても大切。自宅で研修受けるためには、Webカメラ、マイク、背景画面、そして、何よりWi-Fi環境の整備。もちろん、PCも自宅ないといけません。
いくら研修内容にこだわってもいても、ネット回線が悪ければ、すべてが終わります。
だから、ちゃんとリハーサルを行い、事前に不安点は少しでも減らしてオンライン研修を提供しなければならない。ちゃんとリハーサルしないと、必ずといっていいほどミスが出るので。というわけでITツールをどんどん使って、リハーサルして使いこなす。
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というわけで、今日は、「オンライン研修を考える際に気になっている7つのこと」について書きました。
これからは、一つずつのテーマを深堀した記事をを書いていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!
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