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『ドライブ・マイ・カー』どこが面白いのか
年末休みに、amazon primeで視聴できるようになった映画『ドライブ・マイ・カー』を観た。
原作は村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」だが、小説のほうは50ページほどの短いお話なのに対して、映画は2時間58分もある・・!
村上作品はむずかしい?
村上春樹の作品は平易な文章で書かれているので読みやすいのだが、物語は難解だといわれる。わかりやすい起承転結がなく「何が言いたいのか分か
映画を早送りで観ちゃダメですかね?
最近、映画を早送りで見る若者がいて、
ポップス曲のギターソロをスキップして聴く輩がいるらしい。
なんなら、イントロが長すぎるともう聴いてられないっていう輩までいるらしい。
そんな話を聞いて、最初は驚きとともに「そんなの、情緒もリアリティもあったもんじゃない」と憤りを感じたものです。
多くの中高年が「最近の若者は嘆かわしい」という印象を抱いているようです。
それからというもの、この件について、
なぜ憎い人と結婚するのか? 〜芥川賞『おいしいごはんが食べられますように』から考える〜
高瀬隼子さんの小説『おいしいごはんが食べられますように』が第167回芥川賞を受賞しました。
書店には平積みで置かれていて、私もさっそく手に取り読んでみたら、ふんわりしたタイトルからは想像つかないほど不穏な人間模様を描いた作品で、奥が深く、とても面白かったです。
そこで今日は、この本を自分なりに考察してみようと思います。
解釈は人それぞれだと思いますし自分の解釈が必ず正しいとは思いませんが、ご興味の
終わることによって始まるものがある。『コントが始まる』を深読みする
何かの終わりというのは同時に何かの始まりであること―
そして始まっている瞬間というのは意外と気づかなかったりするもので、後になって「あぁ、あれが始まりだったんだなぁ」と思うこと、ありますよね。
そんな事をしみじみと感じさせてくれる、
日テレの土曜10時のドラマ『コントが始まる』が非常に面白い!という事で、以下ご紹介。(第1話のネタバレあります)
菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀の3人が演じるお笑
人生の後悔と世界線。『30年目の待ち合わせ』を深読みする
今回は、人はなぜ後悔という感情を持つのか?後悔に対してどのように向き合えばいいのか?そんなことを考えてみたいと思います。
先日、早川書房の2021年新刊、フランス作家エリオット・アベカシスの『30年目の待ち合わせ』(訳:齋藤可津子)を読了しました。
いやぁ、これは・・。切なすぎて心が締め付けられるストーリーでした。以下、ネタバレあります。まずは本の公式紹介文を引用。
1980年代末、パリ、カル
三浦しをん『エレジーは流れない』を深読みする
三浦しをんの最新作『エレジーは流れない』を読了。爽快感たっぷりで最高に面白い本でした!
舞台は海と山に囲まれた餅湯町という温泉街。そこで暮らす男子高校生の怜が、自身の複雑な家庭事情や将来の生き方に悩みながらも、自由奔放なクラスメイト達に振り回されるドタバタな暮らしの中、少しずつ友情や愛情の在り方に気づいていく。そんな青春群像劇です。
物語そのものが、青春満載、愛情満載、さらにはおバカな面
朝井リョウ『正欲』を深読みする
東京、大阪、兵庫、京都に発令されている緊急事態宣言が5月31日まで延長される方針との事です。
昨年に続き、今年もどこにも行けないGWでしたが、最近すごく話題になっている朝井リョウの新刊『正欲』を読了し、面白い本だと思ったので簡単に紹介と感想程度ですが何か書きたいと思いました。
以下、ネタバレあります。
朝井リョウ作家生活10周年に放たれる本作は、朝井リョウ本人も「小説家としても一人の人間としても
なぜ、どこもかしこも「いいね」ボタン?
仕事中、会社からのメールで、就業コンディションに関するアンケートが届いた。
アンケートはたったの3問。画面はこんな感じ。
「Q1.仕事に対する満足度はいかがですか?」
「Q2.あなたの職場の人間関係は良好ですか?」
「Q3.最近、よく眠れていますか?」
それぞれの問いに対して、快晴マークから大雨マークで回答するというものだ。
これは、「Geppo(ゲッポウ)」という従業員のコンディション