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インドネシアで見たマイナースポーツの競技普及の取り組み。

こんにちは。現在ローラースピードスケートで4カ国に留学中の小山滉平です。今回は留学先のインドネシアで見た競技普及の取り組みについて書こうと思います。

さてこの記事のタイトルはマイナースポーツの競技普及の取り組みとなっていますが、インドネシアではローラースピードスケートはもはやマイナースポーツではありません。笑(そもそもどこまでいけばメジャーなのかもよく分からない)

なんとインドネシアには各県にスケートクラブが存在し、全国大会でメダルを獲得すれば各地域の選抜チームに入ることが出来ます。選抜チームに所属する選手には体育協会から毎月平均で約3万円+競技に必要な道具(ブーツやタイヤ、ユニフォーム)が支給されます。また国内の大会の多くは賞金レースで、4年に1度インドネシア国内で行われるポン(日本で言う国体のイメージ)で優勝すると1種目につき約100万円の賞金を手にすることが出来ます。


またインドネシアの大人の平均月収は3万円なので、貧しい家庭に生まれた子供達も中学生ぐらいの頃からスケートで家族を助けています。そしてコーチ業も仕事としてしっかりと成立しています。お金の話ばかりになりますがお金が生まれ仕事になるという事は、それだけインドネシア国内でのローラースピードスケートの価値が高いと考える事が出来ます。

そんなインドネシアに3ヶ月の滞在し、自分の目で見たり人から直接聞いたこと(良い面だけで無く、悪い面も)を今後は少しずつ発信していきながら、帰国後の活動に向けて動いていきたいと思っています。


インドネシアで見た今の日本のローラースケートに1番必要な事。それは「世間の目に触れる回数を増やすこと」だと思いました。

分かりやすく言い換えると、「ローラースケートをしている姿をローラースケートを知らない人が目にする機会作り。」例えば、体験会やショー、模擬レース、選手達の練習姿、YouTubeなどネットでの発信。他にも色々と考えられます。

マイナーなもの(ここではローラースピードスケート)を少しずつ広げていくには、先ずは人目に付く機会をできる限り増やすこと。基本的にローラースピードスケートは専用の競技場で行うので、競技場が人目に付かない場所にあるのであれば、競技場に足を運んで貰うキッカケ作りをするか、競技場の外で人目に付くような何らかの取り組みが必要になってくると思います。

今回インドネシアで見た一例を紹介すると、
⑴ 歩行者天国が行われている場所で許可を得て子供達の体験スペースを設ける。⑵ そもそも競技場が大きな公園の中にあり、公園に遊びに来る人が見に来る。大きく分けてこの2つのどちらかだと思いました。


勿論日本国内でもこのような取り組みは既に行われています。実際に僕が知っているもの中だと東京都内では数多くの体験会が行われていて、多くの子供達がローラースケートを遊びとして楽しんでいます。しかしそこからもう少し本格的に、継続的にローラースケートを楽しむ子供達の数は極めて少ないように感じています。

理由は沢山考えられますが、⑴遊び→継続的して楽しめる場所や環境への誘導が上手く出来て居ないこと ⑵チームや初心者教室などの受け入れ側の体制が整っていないこと(指導者の数やスケート場の数の少なさ)が考えられると思います。

なので、日本国内でローラースケートを継続的に楽しむ子供達を増やすためには、⑴ローラースケートを世間の目に触れさせる機会作り ⑵既存の各チームや初心者教室の受け入れ体制を整えること ⑶1回の遊びから継続的して楽しむ事が出来る場所や環境への誘導
この3つが今の日本のローラースケートを発展させていく上で大切になってくるのでは無いかと思っています。

そしてこの3つの中のどれか1つでも無ければ、子供達が継続してローラースケートを楽しむ事が難しくなるのではないでしょうか?

日本には全国各地でそれぞれ形でローラースケートに熱心に取り組んでいる方々が沢山居ます。3年前に関西を離れ、関東や中部では多くの方々からお話を聞かせて貰ったり、実際にスケート教室を開いたりしてきました。

兵庫県では家族向けの初心者教室でスケートを始めその後本格的に競技が出来るクラブチームがあったり、

東京都の江戸川区でも月に1回の初心者教室があり、地元から沢山の子供達が参加しています。子供達の後ろ姿が可愛い。


そして愛知県でも色々な取り組みを始めながら、子供達や大人の方がスケートを楽しんでいると聞きました。

そしてこのような素敵な取り組みはきっと全国各地で行われていると思います。

それを知った時、素晴らしいな凄いなと感じたと同時に、今は全国各地でバラバラに行われている様々な取り組み・視点・アイデアをシェアする事で、各地域・各チームの課題を解決していけるのでは無いかと思いました。

マイナーなものをより沢山の人達に届けていくことはとても難しいし、それを実現するにはとても地道な取り組みが必要になってきます。きっとこれまでも色々な人達がそれぞれの想いをもって、それぞれのやり方で競技発展に取り組んできたのだと思います。

これからもう一段階、競技や遊びとしてのローラースケートを普及していく上で、先ずは各地域の取り組み・アイデアをシェアしながら、ローラースケートに関わる全ての人達で少しでも前に進んでいきたいです。そして、僕はそんな人達の架け橋になれるような事をこれからしていきたいと最近は強く思います。

スケートに出会ってから今年で17年。このスポーツを通してすごく幸せな時間を過ごしてきました。ここ最近、僕にとってローラースケートとは自分の人生を豊かにさせてくれる1つのものだと思うようになりました。幸せの形は人それぞれだと思うし、人生を豊かにする方法も人それぞれだと思います。だから日本中の子供達全員にローラースケートを選手として取り組んで欲しいだ!とまでは正直思いません。

けれど、今より少しでも多くの子供達がローラースケートを通して色々な経験をして、幸せで楽しい時間を過ごして欲しいという想いを僕は持っています。そしてその為に自分が出来る形でこれからも日本のローラースケートの為に動いていこうと思います。


おわり。

久しぶりのしっかりしたブログで自分の伝えたいことを上手く書けませんでした。笑 今は1年間海外に居て、自分自身が出来る事もかなり限られています。日本にいればあの人にこんな話をして実際にこんな事をして。。。と考えてしまいます。笑 

なので今は海外に居ながら自分が日本のローラースケートの為に出来ることを色々と考えています。こっちでの練習内容をシェアしたり、チームが抱えている課題について一緒に考えたり。色んなことを考えています。

大学とスケート場を行き来していた日々とは違って、こっちでの生活はかなり時間に余裕があります。その時間の中で僕に出来ることを考え出来る範囲で行動していこうと思います。もしこう言うこと気になるよとか知りたいとか、一緒に考えて欲しいとかあれば、ぜひぜひ話して下さい。僕の方からも近いうちにお話をさせていただきたいと思います。

小山滉平