ブラックミュージック元年
敬愛するノエル・ギャラガーの「音楽はタイミングだ。ストーンローゼズだってあのタイミングでなけりゃあそこまで売れてなかったろう」といういつしかの発言がなぜか心に強く残っていて、僕はこれをたびたび音楽以外のことにも適用させ解釈したりしている。
ということもあり、「タイミング」とか「縁」とか「偶発性」みたいなものをより信用するようになったのがここ1、2年のこと。惑星直列的なものに強く惹かれている。
先日ライブ終わりに、いつものように対バンのメンバーと他愛ない話をする時間があった。音楽が好きな人間が集まると最近おすすめの音楽を他人に紹介するといった話の流れになることも多く、その日はThe Rootsというバンドをおすすめされた。僕がアナログな音を好むということを知ってのおすすめだった。クエストラブという人がドラムのヒップホップバンドらしい。クエストラブ。聞いたことある。音を聴いたことがないのに名前だけ知ってるということは、きっとこのバンドの音楽がよっぽど素晴らしくて有名だとか、シーンに絶大な影響を与えた人だとか、たぶんそんなところなのだろう。近いうちに聴いてみようとバンド名をSpotifyの検索履歴に残し、その日は終了。
昨日、『ソウルフル・ワールド』という映画を観た。「生きることにおけるきらめき・原動力」みたいなものを描いたPIXARのアニメ映画だった。映画ではそのきらめきの一例として、ジャズ音楽が使われていた。
ジャズって黒人音楽発祥のジャンルよな、もちろんジャズ自体は知ってるけど全然ちゃんと聴いたことないなぁなどと思いつつ映画を鑑賞したのだが、映画の内容だけでなく、作中で流れるジャズがすごくよかった。ブラックミュージックって殆ど全く通ってないなーけどジャズめっちゃカッコいいなーよし今度聴いてみようとなって、この日も終了。
そして今日、『サマー・オブ・ソウル』という映画を観た。映画観まくれるし、正月って最高。昨日の『ソウルフル・ワールド』もそうなのだが、ビートルズの映画を観るためだけに加入したDisney+でしか配信がされておらず、1か月で辞めてしまう前に観ておこう(観たくてチェックしてたので)ということで鑑賞した。
『サマー・オブ・ソウル』は1969年にアメリカで行われた「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」の様子を捉えたドキュメンタリー映画。このフェスは当時の黒人コミュニティにおける"ウッドストック"的な音楽フェスで、スティービーワンダーやスライ&ザ・ファミリー・ストーン等が出演していた。と書いてみたものの、このあたりのブラックミュージック、全く知らない・・・。全然通っていないからこそ勉強がてら観てみようという気持ちもあったけど。
というわけで観たのだが、まあこれが素晴らしい。ドキュメンタリー映画としての出来も良いけど、なにより当時の音楽よ.....!先述したフェスに出演しているバンド、シンガーのパフォーマンスが本当にどれもカッコよくて、感動、いや、どちらかというと衝撃の方が近かった。ブルース、ソウル、ゴスペル、R&B、モータウン、ファンク、どれがジャンルでどれがムーブメントの名前なのかもよく知らないけど、なんで今まで聴いてこなかったんだ・・・と打ちひしがれ、この日も(今日だけど)終了。
という最近の一連の流れ、"惑星直列"的な出来事があり、もうこれはブラックミュージック聴くしかないじゃん!という結論が出たのでその報告のために今日は筆を執ったのだった。ブラックミュージックが大好きな「ロック」の源流であることを認識しつつも面と向き合うことを今までずっと避けてきたが、いよいよ見て見ぬふりも終わりの時がやってきたようだ。
ブラックミュージックの"ブ"の字も分からない状態なので、向こう岸が見えない大海に船出するような気持ちである(大海すぎるからこそ今まで避けてきた)。
でもこの気持ち、高2ぐらいの洋楽を聴き始めたときの気持ちにすごい似てるなあとも思う。この感情をモチベーションにしつつ、今年はブラックミュージックを聴く1年にしようと決めた。
2022年が自分史におけるブラックミュージック元年になるだろうということです。
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