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Black Lives Matter


黒人の人に対する差別って、生まれてこのかた20年以上大阪で暮らしているひとりの少年としての僕にとって、正直なところ、あまりピンとこない。
僕の想像力不足と言われればそれまでだが、目の前でそんな場面見たこともないんだし、画面の向こうの出来事を身に近いものとして捉えるなんて、よく考えたらむずかしい。大事なことというのはわかってるけど、できないもんはできない。


もっと身近なところにある差別について考えてみる。
考えるというか、日常生活のなかで思わず触れて、「怖っ」と思ってしまった場面を思い返してみる。

僕からすると、はっきりと実名を出して大声で差別的な発言をしてる人よりこっちのほうがよっぽど怖い。


学校で

「できないヤツ」に対する差別
勉強ができないヤツ、運動ができないヤツ。不快な気持ちなしに「自虐ネタ」に変えられる人は実はすごい。

「強いヤツ」の「弱いヤツ」に対する差別
いわゆる"スクールカースト"の下のヤツを見下す流れ。ジャイアンみたいなヤツの思想が、周囲を巻き込んでしまうのが恐ろしい。巻き込まれてしまっていた僕は愚かな人間。

「普通じゃないヤツ」に対する差別
これは学校じゃないところでも本当によくある。例えば容姿に関して、例えば行動に関して。"普通が良い"という日本人ならではの考えがこれを助長する。出る杭は打たれる。普通とはなんだろうといつも考える。

障害者に対する差別
気分が悪い。ただならぬ違和感を感じてはいたものの、かといって「強いヤツ」になにも言えなかった僕はやはり弱い。

・同性愛的なものに対する差別
障害者に対する差別もそうだけど、これらは"「普通じゃないヤツ」に対する差別"に入る。最近の海外ドラマなんかではかなりの頻度で扱われている。もちろん僕が差別意識を持ったことはないけれど、正直、そういったたくさんの作品に触れるまではなんとも思っていなかった。思い返してみれば小中学校でそんなこともあったかなと。


前述したが、児童期の自分には「強いヤツ」に対して「自分があかんと思うことをあかんと言う」ことなんてできなかった。長いものに巻かれる軟弱な少年だった。


お年寄りとの会話で

・韓国人、中国人に対する差別
どんな歴史があったのかを実際に経験していない僕からすれば、本当に意味がわからない。いや、経験していてもおかしいものはおかしい。僕が実際に触れた差別意識のなかでこれが一番怖くて、気色悪かった。「なんでなんやろ??」ってすごく不思議だったから。いつもは優しいおじいちゃんおばあちゃんや他のお年寄りが、これに関しては「いや、そりゃそうでしょ。当然でしょ」とでも言わんばかりの顔をする。他人がどんなことを考えていようが僕には制限しようがないけれど、間違っていると思う。

・左利きの人に対する差別
なにを隠そう、僕は生まれつき左利きだったけど、幼いあいだに右利きに矯正されたのだ。あんまり記憶にないけど。え、左利きのなにがいけないの?

・いわゆる「部落」に対する差別
僕には教科書で得たぐらいの知識しかないけれど、このご時世でもまだそういう意識が根付いているんだと思ったことが何回かある。これもさっぱり理解できない。


お年寄りとの会話で触れた差別には、「え、なんでなん?意味わからんねんけど」と思ったものが多い。だからこそ恐怖と嫌悪感が強いように思う。僕の知らない歴史を知ってるから仕方ないのか??


その他の場面で

・女性に対する差別
これは僕が男であり、そして女性に対して強く接することができない人間だからなのかもしれないが、男性に対する差別よりも、女性に対する差別のほがよっぽど目に付く。実際の差別というよりは、意識の形で。女性がまるでモノであるかのような言動は、聞いていて本当に気持ち悪い。



自分が直接的に差別的な言動や行動をしたことはないけれど、今までを振り返ってみて、自分が「する側」「される側」のどちらにいるかと考えれば、圧倒的に「する側」に属してしまっていたことが本当に情けない。だって、「聞こえていながら、なにもしていなかった」のだから。


自分はこれからどうあるべきだろう。いや、どうあるべきというのは決まっている。フラットで、寛容で、やさしい人間。


と言うのは簡単でも、行動に移すのは難しい。「強いヤツ」に流されないようにするって大変。その場の空気を壊さないようにするって大変。



"Black Lives Matter"と聞いて考えたのはそんなことでありました。


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