今日、サカナクションのライブに行ってきた。
覚えてるうちに残しておきたい感情があるので、覚えてるうちに書いておこうと思う。
ライブの内容にも触れるので、知りたくない人はここで読むのをやめておいてください。
サカナクションは僕が中学生のときから好きなバンドだ。
バンド自体はラジオで「アルクアラウンド」がかかりまくってた時期に知って、「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」のときぐらいにガーーッとハマった。
てこともあり、僕が人生で初めて買ったCDはサカナクションの『DocumantaLy』だったりもする。
中学生のときから好きだけど、彼らの長尺のライブを見たのは今日が初めてだった。
リリースされる新曲もその頃から本当に毎回全部良いし、すごく期待して行った。
今日書きたいのは、ライブが始まって新旧様々な曲が演奏されるなか、「壁」という曲が始まったときのこと。
アルバム『kikUUiki』に入っている曲だ。
それまでのハイファイな雰囲気から一転、会場がオーガニックな空気に包まれるギターのアルペジオによるイントロ。
ドラムが増え、歌や、その他の楽器も加わる。
で、サビ。爆音。ギターが爆音。信じられないくらい歪んでいて、音がなんというか、そびえ立ってる。
まさに音の"壁"、サカナクション流のウォールオブサウンドという感じで、僕は圧倒されるしかなかった。
と同時に、自分の中の奥のほうにある、なにかよく分からない感情がちょっとずつムズムズし始めているのに気付いた。
あとから分かったのだが、それは僕が中学生のときの感情だったと思う。
その感情に名前は付け辛いし中身も上手く説明できないけれど、目の前で演奏される「壁」に、中学1年生のあの日の僕が、確かに反応していた。
そのときの行き場の無い、仮に色を付けるとすれば黒や濃い青(まさに"藍色")をした感情が、「壁」に対面するイマの僕の身体を通してこの2021年12月の時空に解き放たれるような感覚があった。
言葉にするとなんだかよく分からないが、確かにあったのだ。
別に中学時代、何か辛いことがあったり(そりゃもちろんあったけど)、ずっと苦しい思いをしていたという訳ではない。
毎日そこそこ楽しかったし、別に普通だった。
でも何故か、約10年越しにやっと、あの"藍色"だった僕の沸々とした感情の塊が成仏したような気がしたのだ。
あれは無駄じゃなかった、救われた、という気持ちになった。
音楽を聴いて昔のことを思い出すのはよくあることだが、今日のことはその範疇を越えていたと思う。
やっぱりよく分からないといえばそうだし、明日になれば忘れてるかもしれない。
でもこの気持ちをどうしても無かったことにはしたくなくて、こうやって文字にしてみた。
という次第です。