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Amazonの星3.2

わたしのデビュー作は、2018年に出した『昭和ノスタルジー解体』(晶文社)。Amazonの星は3.2です。

低いです。こんな星がついてしまったらもう買ってくれる人はいないんじゃないかと、半ばあきらめています。

点数が低い原因は、星1つをつけた人がいるから(ヘッダ画像を参照)。

たしかにクセの強い本なので、賛否両論あるのはわかります。星5つの人がいれば、星1つの人もいる。そういう本です。

旧Twitterでは、音楽研究者が何人もよい評価をしてくださいました。一方で、『図書新聞』に掲載された書評のように、ほぼ全否定の人もいました。

こんなふうに評価が大きく分かれる本は、どうしても星の平均が下がってしまいます。賛否両論の問題作が書けるなんて、我ながらすばらしい!なんて、のんきに構えていたら、いつの間にかAmazonがこんなことになっていた。

気にしてはいません。本書で取りあげた方々が何人もねぎらいの言葉をくださったし、新聞や雑誌の書評もおおむね好意的でした。評判は上々だったと受け止めています。

でもそんなこと、Amazonを見る人たちは知るよしもない。彼らにとってこの本は星3.2の本。それ以上でも以下でもない。それが歯がゆい。

わたしはひとつ納得のいかないことがあって、星4つの人はちゃんとレビューを書いているのに、星1つの人は星だけつけてレビューを書いていない。Amazonはレビューを書かずに星だけをつけられるのです。

人が人生をかけて世に問うたものに最低の評価をつけ、その後の売り上げにまで(たぶん)影響を与えておきながら、安全な場所に隠れているとはどういう了見か。それなりの責任を背負うべきではないのか。これでは星のつけ逃げです。

星をつけられるのはAmazonで購入した人だけなので、どんな星がついたとしても、まずは買ってくださってありがとうございます。それはわきまえています。でも、お客様に何をされても黙って受け入れるほど、わたしも素直ではない。

どんなに駄作だと思っても、金返せとお怒りでも、星だけつけるのはやめてほしい。星をつけるなら、なぜその星の数にしたのか分かるレビューを付してほしい。

評価者の総数が10人前後のロングテールものは、ひとつの評価がAmazon上での本の見かけを大きく左右します。ひとりの気まぐれで印象が悪くなることもあるし、仕込みのサクラで好著に見せかけるのも簡単です。

なぜそんなに星のことでとやかく言うかというと、星の数でなんとなく本を格付けしている閲覧者が、おそらくたくさんいるから。だからこそ、星の上げ下げはていねいに、慎重にやってもらいたいのです。

読書メーターやブクログには、Amazonとはまたちがった感想がならんでいて、Amazonよりもだいぶ充実しています。できればこちらを見てほしい。なかには辛辣な批評もあるけど、何が気に入らないのかをちゃんと説明してくれているから、ぜんぜん卑怯ではない。チクショーと思いながらも励みになる。

いま読書メーターを読み直したら、「途中で読む気がうせた」と書いていたレビューがなくなっていた。アカウントごと消えたのかな。残念、あれをみなさんに読んでほしかった。

たしか、サブカルを好きなだけ享受できた都市郊外育ちの、独特の鼻につく感じがイヤ、みたいな批判だったと思います。なるほどその角度からの批判があるのかと、勉強になりました。もっとも、わたしはCDショップ以外に文化的な場所にほぼ出入りしていなかったので、サブカルを好きなだけ享受していたわけではないのだけれど。

どんなに厳しい批判でも、のっぺらぼうに無言で否定されるよりはいい。無言で星1つをつけられても、何もいいことはありません。ただ悲しいだけです。