金を使わない漆継ぎ
「金継ぎ」というとどうしても金ばかりに注目が集まりがちだが、金粉は最終の装飾の役割を担っているだけで、金によって割れた破片がつながるわけではない。以前「せっかく金粉を買ったのに器が繋がらないじゃないか!」とおっしゃるアメリカの方がいらっしゃったが、それはハリー・ポッターに依頼してくれ。接着作用をもっているのは漆だ。割れた土器を漆で直し始めたのは9,000年前の縄文時代だと言われており、金粉による装飾を提唱したのは安土桃山時代の千利休と