食パンを初めて焼いてみて思った、モノの価値への考え方
33歳にして、初めて食パンを焼いてみた
小さい頃になんとなく親と一緒にピロシキを焼いた記憶がある。とても美味しかった気がする。おそらくそれは5歳とかそれくらいの時の話で、30年近くが経つ。
家にホームベーカリーがあり、ワンタッチでそれなりに美味しいパンが焼けることは理解していたが、型にはめて初めて食パンを焼いてみた。
何事も、やり始めてみると、とことん追求したくなる性格で、この3連休で3回焼いてみた。
4歳児と一緒に分量を図り、ホームベーカリーでこね、2回の発酵を経て完成。想像以上に美味しくできた。
思ったより楽しかったので2日連続で焼いてみた。初日に焼いた食パンは少し形が悪かったので、1次発酵後に機械でこねたら、過発酵気味で失敗した。味は良い。
3回目。1日目に近づくことができた。少し外側が剥がれにくく削った部分があったものの、街のパン屋より美味しいものができて感動した。
オーブントースターで焙煎したコーヒー
スペシャリティコーヒーの生豆をいただいたこともあり、焙煎してみた。焙煎士の方に火入れの理論を色々と教えてもらった機会があり、「もしかして、バゲットや天ぷら、唐揚げと同じようなイメージで(揚げ)焼いてみるといいのかも。」と思い、焼いてみた。
220度の予熱したオーブンで10分ひいれし、1ハゼ前でとめ、鍋に移す。撹拌しながら最後焙煎する。
数日後、抽出して飲んでみると、初めてかつオーブンで焼いたとは到底思えない美味しいコーヒーが飲めた。専門家が見ればおそらく課題だらけな見た目なのだろうけど、自分で焙煎したコーヒーを飲む喜びは格別良かった。
コロナ禍でハマった自家製ラーメン
そういえば、2020年にコロナ禍で飲食店がやっていない時、家で製麺してラーメンを作ったりしていたことがある。
春よ恋という粉を仕入れて、家で製麺して、ラーメンにした。これも麺がとても美味しく、素晴らしく感動した思いがある。
牛鍋のルーツを作ってみたくなった
横浜に太田なわのれんというお店がある。150年以上続く歴史ある牛鍋発祥の店とされ、いわゆるすき焼き風ではない、牛鍋が出てくる。
味付けは少しばかり入ったおだしに甘く味つけられた味噌。
なんとも美味しい味付けで、翌日自宅で試したくなってしまった。
1週間くらい、なぜこの料理が生まれたんだろうと考えると、「あぁ、田楽だ」と思った。昔この時代は豆腐や蒟蒻に田楽味噌をつけて食べていた。いわゆるおでんの発祥である。肉おでんといって良いかもしれない。
実はこの味噌も、1年半ほど前に甲府に住んでいた頃に五味醤油さんから仕入れて作らせていただいた味噌。いわゆる手前味噌というやつ。
魚を捌く楽しさ
人が遊びにくるときは、鹿児島からお魚を送ってもらっている。
今回は10kgのマグロを送っていただけた。その場で捌き、内臓から骨までスープにして食べる。以前仕入れておいた魚の内臓は塩辛にして、この日も茶漬けに食べた。出汁はラーメンにした。
「つくる」ことを誰かに任せることで楽しさを見失っていないか
お金を払えば素晴らしい料理を食べられる、素晴らしい雰囲気のレストランで楽しむことができる。
だけど、それはその一瞬に同じようなものを食べたいという人が集まるから結果的に起きている現象に過ぎない。ある意味刹那的というか、儚いというか、飲食店にはとてもそういうものを感じるし、同時に美しさも思う。
そういったものにだいぶ今までもお金を使わせていただいた。
独立し前職に比べて収入が減った。会食も減った。高いものを食べるというよりも、家で作る機会も増えた。でも食事の楽しさは前よりも、より感じるようになった。
魚を捌いて食べる楽しさ、田楽という料理が続く歴史の古さ、生地をこねて伸ばしたり焼いたりして食べる楽しさ。
楽しみを得るには、あまり複雑なものは知らなくて良いのかもしれない。むしろシンプルなものをもっと、深く知った方が良い気がする。
柔らかい酸味を探している
最近糠漬けやザワークラウトなども作った。米に合うのはもちろんなのだけど、意外とパンと糠漬けの組み合わせが良い。
一般的なのお酢でつけるよりも、乳酸醗酵させて作る酸味の方が体にとって心地よいような気がする。
サワードゥや自家製味噌、チーズや熟鮓も、全部酸味の柔らかさに旨さが溢れているような気がする。
これをマスターできればもっと美味しいものを楽しめるし、いろんな食材への見方も変わるかもしれない。
楽しんでいきましょう。