エチオピアの成り上がりムスリム社長の元で働いて学んだこと その5

その5 エチオピアビジネス界のムラ社会

まずはその土地をどのように設計し、だれも畜産業を知らないのでどのように事業を計画するか?という事業計画作成を行うことになりました。事業統括はそれに合わせて雇用された。元国営銀行→UN→世銀等で働いてきたエチオピア人のアラガさんです。エチオピアで始めてマーケティング用語とかビジネス用語を利用して話せたのは彼でした。

この事業計画作成のためにボスは、ハラルの近くの大学(農学部が有名)の教授陣を集めて意見をもらったり、メジャー会計会社現地法人のコンサルチーム(資料をみると現地ビール会社の外資買収やエチオピア航空へのコンサルなどエチオピアビジネスの最前線に携わっている模様)に意見をもらったりします。

しかし、なかなかうまくいきません。
田舎出身の成り上がり社長であるボスは、大学教授ならいろいろ知見もあるし良い意見がもらえるだろう。と考えたようですが、当時大学教授の給与は2-300USDほどで、頭のいい人は海外へ行くか、副業に精を出すか。といった状況で、金に目のくらんだ教授陣からまともな提案を受けることはできませんでした。しかも、ビジネスのことは何もわかっていません。。

コンサルに関して話す前に前提を、

エチオピアは1975年にハイレセラシエが倒されるまで長く王朝が続いてきました。そのため元貴族など高貴な地位にいた人たちのコミュニティがあります。たぶん、民族がアムハラ系、一部ティグレの人たち(現在は、アメリカへの亡命後の2世など)

また、軍事政権が倒れた後も、内戦により「we are the world」を歌ってチャリティをしてもらわないといけないような状況から、国の経済が発展してきたのはここ10年とか20年の話です。

なので、お金持ちの人たちのコミュニティ(会計会社で働いている人たちもおそらくこちら側の層)でもボスは、オロモの田舎もんの成り上がり。とみられており、何もわかってないやつだと思われているので、コンサル費用もかなり高い値段をふっかけられとても契約できるような状況ではなかったとアラガさんから後で聞きました。

元貴族の人と話をしていると、エチオピア長者番付に載っている人(建築会社が多い、長距離ランナーのハイレも常連)に対して、つい最近までパシリみたいな仕事してたやつが。。とか平気で言います。

彼らがオロミヤ人のアビィ首相に代わってどんな風に思っているのか個人的には気になっているのですが、最近は会えていません。。

そんなこんなで全然事業計画の立案が進まないのでした。。ただ、早く動き出さないと政府から突っ込まれます。。その辺の続きを次回!!

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