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#93 大人の修学旅行は楽しい~知床・網走旅行~(2024/06/03)

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

修学旅行の教育的意義とは何でしょうか。学習指導要領では下記のように定められています。

「旅行・集団宿泊的行事/平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすること」

※平成29・30 年度の改訂では、新しい時代を生きる子供たちに必要な「資質・能力の三つの柱」という観点が追加されたものの、修学旅行の根本的な意義は大きく変わってはいません。

さて、学生時代の修学旅行を振り返ると、集団生活の在り方を学ぶ機会のひとつにはなっていたかもしれませんが、見聞を広めることが出来たかといいうのには疑問です。

学校における修学旅行の是非は置いておいて、今回は知床・網走への旅行で実感した、大人になってからの方が旅行による学びが楽しいということについて考えます。


〇知床ネイチャーガイドツアーでの学び

大自然の中を歩きたいということで、知床五胡を1周するトレッキングガイドツアーに参加しました。
ガイドさんは日本野鳥の会やヒグマの生態調査などの活動をされてきたベテランの方で豊富な知識とツアー参加者とのインタラクティブなやり取りが絶妙でした。

知床五胡は湧き水で出来た湖であり川と繋がっていません。しかし、魚が泳いでいます。これは開拓民が養殖のためにマスやフナを放流し、現在もフナは生き残っているのだとか。

知床五湖の3湖。最も大きいのは2湖だが、全体的を見渡せる3湖が一番大きく見える

熊が木に登る時についた爪痕を見ながら、木の幹に腕を回してよじ登るので長い爪痕は前足、短い爪痕は後ろ足のモノであり、人間と違い小指が発達しているのだとか。

ヒグマの爪痕。3本線が多く親指がほとんど使われていないことがわかる

歩きながら目にしたものを題材に様々な授業をしてくれました。

特に印象に残っているの流氷の話です。(※網走にあるオホーツク流氷館で学んだ話も混ざっています。)

オホーツク流氷館にある本物の流氷。マイナス15℃の部屋の中では濡れたタオルが凍る


流氷で有名なオホーツク海の知床ですが、世界でも最も低い北緯で流氷が見れる、非常にレアな気象条件が揃った場所だそうです。

・北半球でもっとも低温になるシベリアのヤクーツクから、−40℃以下の寒気がオホーツク海に吹き付ける

・琵琶湖と同じくらい大きなアムール川の河口から流れる淡水によって、水深50mくらいまで海水の塩分濃度が低くなる(塩水はマイナス20℃でも凍らないのですが塩分濃度が低くなることで凍りやすくなります。)

・オホーツク海がカムチャッカ半島、千島列島、サハリン島、北海道に囲まれているため、風と海流によって南に運ばれる

ウェザーニュースの画像を参照

流氷には大量の植物プランクトンが閉じ込められており、これが氷の下で大繁殖し、動物プランクトンのエサになります。動物プランクトンを食べる魚が次々と集まり、魚を求めるアザラシやトドなどの海生哺乳類や海鳥たち、そして彼らを追ってさらなる大物のシャチが現れます。
このように知床の海は植物プランクトンを底辺に食物連鎖が形成されるため、豊かな生態系が育まれるそうです。

流氷すごい!!

網走監獄での学び

網走監獄が出来たのは未開の地・北海道をロシアから守るためであること。過酷な環境での開拓を極悪人を無償で働かせようとした背景。少ない人数で囚人を監視出来るようにした網走監獄の設計や囚人の脱獄を防ぐための数々の仕組みなど。

網走監獄からも逃げた脱獄王

女満別空港から知床・網走へ向かう道中で目にした北海道の雄大さや知床で見た原生林などを知った後で網走監獄を訪れると、その歴史を学ぶことの重みを感じられます。

また、網走監獄の中でも宣伝されていたゴールデンカムイを読み始めたのですが、学んだ情報が随所にちりばめられていてまぁ面白い!!

〇なぜ大人になると修学旅行が楽しいのか

学生時代の修学旅行での学びは決して面白いと思えなかったのはコンテンツの問題でなく、面白さに気づけなかった自分側の問題であることが良くわかります。

生まれてからの35年間で学んできた知識や経験と、歴史・文化・自然などの新たに学んだ知識を紐づけし、「あー。こういうことなんだ。」という沢山の気づきを得ることが出来たり、新しく学んでみたくなることに出会えたりする。
それが大人になってわかる修学旅行の楽しさなのかなと思います。

学生時代にいかに狭い世界で生きてきたのかがよくわかりますが、人生100年時代でまだまだ先は長いです。
今後もなるべく沢山旅に出て、学びを深めていきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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