週刊牛乳屋新聞#63(ドラえもんを見て思ったこと)
おはようございます。牛乳屋です。
最近面白いテレビ番組が無いので、アマゾンプライムで久しぶりに『ドラえもん』を見ました。大山のぶ代さん時代の『ドラえもん』も某動画サイトで見て、懐かしい気持ちになりました。今回はドラえもんをテーマに書いていきます。
のび太君としずかちゃんはたぶん巡り合わない
のび太君は、東京都練馬区にある庭付き一戸建てに住んでいます。基本的に、友人も皆庭付き一戸建てに住んでおり、この時点で現代の住環境とは嚙み合っていません。まあ、これは一旦置いておきましょう。
しずかちゃんはバイオリンを習っており、なんとなく育ちが良く経済的にも豊かであることが察しがつきます。出木杉君も基本的にしずかちゃんの教養レベルに合っているので、同じように家が太いことが分かります。スネ夫は言わずもがなですね。
一方で、のび太はしずかちゃんや出木杉君と教養レベルが根本から噛み合わず、いつも嫉妬してドラえもんに泣きついています。常に新しいラジコンが手に入るスネ夫と、スネ夫のラジコンを取り上げて壊してしまうジャイアンとの間には友人関係が成立しても、価値観がかみ合っているとは思えません。
このような家庭環境を踏まえると、スネ夫、しずかちゃんと出木杉君は私立小学校からエスカレーターで大学まで上がるようなタイプ。ジャイアンやのび太は義務教育は全て公立学校に行くようなタイプかもしれません。
仮に全員が公立学校に進んだとしても、しずかちゃん、出木杉君とスネ夫は共通の話題が、「海外旅行」「海外留学」「サマースクール」「大学受験」「大企業への就職」とたくさんあります。一方で、のび太とジャイアンの話題は「野球」「リサイタル」「公園での駄弁り」になるのでしずかちゃんたちにとっては、低い教育レベルの人間に感じられ、付き合うのが疲れてくるかもしれません。
バカだけど元気な主人公はもう不要?
孫悟空、アラレちゃん、月野うさぎ、のび太、桜木花道・・・平成初期生まれ世代の僕にとって漫画の主人公は、アホだけど素直で優しい、謙虚さが無く図々しい、邪魔が入るけど目標に向かって一直線な性格を有しています。
竈門炭治郎(鬼滅の刃)や緑谷出久(僕のヒーローアカデミア)などの現代的主人公は明確な目標を持っていますが、バカな要素はあまりありません。むしろ、スネ夫やしずかちゃんと話が合うような優等生タイプで非行に手を染めることは無さそうです。そつない性格なので仲間集めも手堅く進めています。
人から反感を買ったり、人の迷惑を掛けたり、とんでもないことをしながら周囲の人を巻き込み成長していくアホタイプの主人公が好きなことに加え、彼ら・彼女らは現代的主人公よりも寛容さがあるように思えます。
現代的主人公には様々な個性を有する仲間がいますが、彼らの経済的・教育条件はほぼ似通っています。その意味で、似たような者の集団であり、多様性が担保されているとはあまり思えません。一方で、ドラえもんでは経済的・教育的条件が異なる人々を輪の中に入れています。現代的主人公が不寛容であるとは思えませんが、集団を形成する上で、同じような条件の人間が選別されるような構造が働いているのではないか・・・と思っています。
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ドラえもんを見ながら、アホタイプの主人公は時代に合っていないと常々感じます。一方で、今ほど人とのつながりを作るのも、シャットアウトするのも容易な時代は無いと思っています。
だからこそ、交わることがない人々が交わっている不思議が良質なコンテンツとしてこれからもお茶の間に流れ続けていってほしいと個人的に願っています。
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