週刊牛乳屋新聞#65(中国の外交官・外交報道官に対して感じたこと)
おはようございます、牛乳屋です。
私は、今でもネットテレビを繋いで中国のニュース番組を見ています。中国語の練習という意味もありますが、日本や英語圏で報道されている事象に対して中国大陸ではどのように見られているのか、また中国社会の温度感がどうなのかを少しでも知りたいと思っているためです。
ニュースを通して、よく目にするのは報道官による発表です。
行政機関が公的な発表を行う際は、報道官を通じて行われます。財政部報道官、人民解放軍報道官、台湾弁公室報道官など、様々な報道官がいますが、日本人を含め、中国人民に最も馴染みがある報道官は、外交部報道官かもしれません。
外交部報道官は本当に「戦狼外交」の体現者?
華春瑩局長と趙立堅副局長は、「戦狼外交」を体現する人物として認識されています。「外交儀礼」を考慮せず挑発的な発言やSNSでの投稿が波紋を広げているのがその原因だと思われています。
挑発的な言動をとる中国の外交官を「戦狼」の一言で説明するのは楽かもしれませんが、違和感を感じます。というのも、アメリカのホワイトハウス報道官も「戦狼」顔負けの挑発的言動を取ることがよくあります。トランプ政権時代のケイリー・マケナニー報道官は挑発的発言は朝飯前で、陰謀論、人種差別、誤情報のオンパレードでした。現在のジェン・サキ報道官は前任よりかは幾分マシかもしれませんが、バイデン大統領の「プーチン大統領は殺人者」発言に対して謝罪も否定もしない様子を見ると、「外交儀礼」を考慮しないのは中国に限った話ではないのが分かります。
距離を縮める工夫(?)も
趙報道官などは、3月8日国際女性の日に、男女平等を表す故事を引用しながら、すべての女性を祝福する旨のちょっと感動的なスピーチを冒頭でしていましたし、たまにフランクなことを笑顔で回答したりします。こういう発言は抖音映えするので、好感度高めです。
私が注目しているのは駐オーストラリア公使の王晰寧氏と元駐英大使の劉曉明氏です。
外交官は表に出なければ「何考えているか分からない人たち」のままかもしれません。討論番組に勝ち負けは無く、彼らが番組への露出が増えることで派遣先国の世論が変わるとは思いません。ただ、討論番組に出ることで彼らが何を主張しているのか?中国の立場や利益とは何なのか?を考えさせる機会を提供してくれるような気がしました。
また、ああ言えば上祐というにふさわしいほど、司会者の質問を上手く切り返し、自身の主張を展開していきます。どんな状況でもお茶を濁して終わりにしようとせず、キッパリと論を展開していく姿勢は感心します。
島国である日本人は海外で啖呵を切れる学生やビジネスマンは少数ではないのでしょうか。
事前に質問が来て、準備されたカンペを読まないと答えられないどこかの島国に比べたら、彼ら・彼女らの弁論術と自信ありげな姿から学ぶことはたくさんありそうです。
残念な形で目立ったしまった外交官
ちょっと本論とズレますが、某国の在阪総領事館のTwitterアカウントで「口では嫌がっても体は正直...」といった発言がありました。
中国の外交官は何か発言すると、基本的に「戦狼」と一括りにされがちですが、何かと話題を作ってくれるので、今後もどんな発言をしてくれるのだろうか?期待しています。
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