オキサリプラチンの蓄積性アレルギーについて
当院は根治切除不能な大腸癌の1次治療ではmFOLFOX6+分子標的薬上乗せのレジメンが選択されることが多いです。
そのためオキサリプラチンによる蓄積性アレルギーの発現を確認することがかなりあります。
今までの対応としてはFOLFOX⇒FOLFIRIに変更を提案して、100%受理されていました。
しかし、先日は主治医にそのような提案をしたところ、H1受容体拮抗薬をオキサリプラチンと同時に点滴しながら継続するのはどうかと言われました。
CTCAE ver.4のアレルギー反応のGrade分類でいうとG2だったことと、直近のCTではSDだったので主治医としてはレジメン変更したくなかったようです。
適正使用ガイドでも再投与しないことと記載あったのでFOLFIRIに変更してもらうこととなりました。
しかし、選択肢としてFOLFIRIが残っていたので良かったのですが、もし1次FOLFIRI PDで2次FOLFOXで強度の強いレジメンの選択肢がこれしか残っていなかったら、FOLFOXを続けるという選択肢もあるのか疑問に思い調べてみました。
それほど強いエビデンスはなさそうでしたが、
やはり原則は再投与不可能。
エキスパートオピニオンレベルではありますがGrade2以下であれば、ステロイドやH1.H2受容体遮断薬を使用しながら再投与する場合もあると記載みつかりました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/67/10/67_919/_pdf
また、脱感作療法を行い再投与可能であったという報告もありました。
このような文献レビューもありステロイドなどでアレルギーの予防効果も得られそうだとのことでした。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/67/10/67_919/_pdf
再投与の判断はけっこう難しいですね。
化学療法委員会などで運用は決めておきたいなと思いました。