ギガスクール構想と国語
ギガスクール構想によって、
生徒1人に1台のタブレットが支給(リース)されました。
国語とタブレットの相性については疑問を持たれる先生方も多いのではないかと思います。
実際に現場でぶつかる壁は、
時間がかかるということです。
原因はいくつかあります。
①生徒がタブレット、アプリのインターフェースに慣れていない
②ローマ字がわからない
③紙に書く速さには敵わない
①は慣れの問題ですから、
2.3回使えばほとんどの生徒が改善します。
②は手書き入力の機能で、
少しは改善します。
③はどうしようもないのですが、
そもそも目的を見直す必要があります。
特に国語の授業でタブレットを使うなら、
意見の可視化、共有に使うべきです。
ノートをとることではなく、
意見を共有することを目的とすれば、
全員に発表させるより、
タブレットを使った方がかなりの時間短縮になります。
ロイロノートやムーブノートなどの活用によって、
今まで手を挙げられなかった生徒が意見を示せるのは、
大きなメリットだと思います。
ただ“できる子”の意見を聞いているだけだった生徒が、
自分の頭で考えるようになります。
授業での活用としては、
議論を深める題材について初めに問うとき、
使うのが良いと思います。
例えば、
文学的文章の読解の際に、
キャラクターマップを使って学習した次の授業で、
「中心人物の1番の願いは何か」を、
ムーブノートで共有しました。
これは読解の初期の授業ですから、
生徒によって様々な意見がでるのですが、
あえて答えを統一せず、
グループ分けだけして、
次時からの読み取りで確認しましょう、
と、動機付けに使いました。
物珍しさもあったでしょうが、
自分以外の意見に触れて、
「拍手する」などの簡易の評価をつけることで、
手が挙がるのとはまた違った盛り上がりを見せました。
生徒が入力に慣れてくれば、
授業の理解をはかるように、
その時間の最後にまとめとして、
短い言葉を共有することもできます。
別の時間では、
「盆土産」という文学的文章で、
鍵になる「えびフライ」について、
登場人物それぞれにとってどのようなものなかを、
リストアップさせた上で、
「この家族にとってえびフライは何なのか」を、
ムーブノートで共有しました。
その結果、共通の言葉をこちらから押し付けることなく、
生徒の中で評価しあい、
深い読み取りに気づくことができました。
ムーブノートでは、
意見を共有する「広場」というところに、
仕切りの画像などを設置できるので、
それを使って、自身の意見を分類させる活動もできます。
答えに複数の内容がからんでも、
自分の中ではこちらの方が強い、
という判断を示すことができます。
まだまだ手探りではありますが、
使い所を選べば、
より多くの生徒に、
深い学びを体験させられそうです。