古文×マンガ×まちがいさがし
古文、古典というのは、
何百年も人々に愛されてきたものです。
そのため、漫画化されているものも多いのです。
作者の綿密な調査、愛情のにじんだ作品は、
人の心を掴みます。
だからこそ作者が主人公を愛しているゆえ、
教科書の解釈と、
漫画の解釈がズレているものもあります。
一通り学習を終えた古文で、
漫画化されたものと比較して、
出来るだけたくさんの違いを探す、
という活動をすると、
こどもたちが改めて古文やノートを見直し、
楽しんで発表します。
『平家物語』の「扇の的」の場面を、
沢田ひろふみさんの『遮那王義経』23巻のものと、
比較します。
子どもたちは熱心に2つを読み込み、
古文に描かれている世界を、
改めて想像します。
漫画をわかりやすくするための導入として、
先に見せる先生もいらっしゃいますが、
漫画と古文を見比べるという手法で、
復習として活用するのがオススメです。
『徒然草』では応用して活用しました。
「今日は、謝らないといけないことがあります…。」
「前回まで仁和寺にある法師を、
面白おかしく学習してきましたが…」
「この中に、子孫がいます」
「先生の話に、はらわた煮えくりかえってたよね」
「あの時は知らなかったとはいえ、申し訳ない!」
「今日は例のマシーンを用意したので、
歴史を変えに行こう」
どら○もんのテーマを流しながら、
ワークシートを配ります。
ワークの上半分にはあらすじ漫画が、
ワークの下半分には書き込めるスペースがあります。
「これから例のマシーンにのって、
法師に会うので、
どの時点で何と声をかけるか、
考えて事前にメモしといて」
と、活動の時間をとったら、実演です。
「例のマシーン、さすがやね!
当日の朝に着いたわ!
あー、あそこにいるのは法師や!」
「声をかけたいときは手を挙げて、
当てられてからやで!」
…いい朝じゃのぉ。
まさに、石清水へ参るのにふさわしい朝じゃ。
ーおじいさん、石清水へ行くなら、
誰か連れて行った方がいいですよ。
…な、何奴!?なんじゃその妙な格好は…?
さてはタヌキじゃな!?
わしはタヌキにばかされはせんぞ!
法師は行ってしまいました。
ー着替えてきました。おじいさん、
石清水へ行くなら一緒に行きましょう!
…おやおや、若いのに関心なことじゃ。
年寄りの心配をしてくれておるのかな?
じゃが結構。
わしは修行の身、1人で行きたいので、
年寄りのことなど気にせず行ってください。
…ふう。ここが石清水か。
聞きしにも過ぎて尊くこそおわしけれ…。
ーおじいさん、石清水はこの山の上ですよ?
…何?いやいや、お若いの。
わしはこんなに立派な建物は見たことがない。
ここが石清水なんじゃよ。
山まで登ってはくたびれるだけですぞ。
ーあーあ、石清水最高やったな!
山の上の!石清水!な!
ーうんうん、やっぱりあそこまで行かなな!
…何と…。山上から眺める石清水は、
そんなに美しいのか…。
ええのぉ。わしも見たいのぉ…。
いやいや、神へ参るこそ本意なれ。
…ようやく仁和寺に着いたわい。
早速、かたへの人へ話して、
聞かせてやりたいものじゃ。
ー法師を拉致します!
…何をするんじゃ!ぅえぇーいっ!!
わしの頭は鋼より硬いと有名なんじゃ。
僧侶なんぞ襲ったところでなんの得もないぞ。
里へ帰って働きなさい。
…さぁさ、皆の衆、今帰ったぞ〜。
…そうして石清水のことを話してしまいました。
「いやぁ、仁和寺にある法師、頭固かったねぇ。
超頑固!」
「まぁ、歴史変えてもたら、
タイムパト○ール来てまうしな!」
「危なかったな!
何事にも先達はあらまほしきことなれ!」
という感じで、
漫画が忠実なら忠実で、
生徒と掛け合いをするための、
大筋を掴む材料として利用しつつ、
前時までに学習した、
法師の失敗と、その人物像を、
生徒はツッコミながら復習できるという授業です。
古文で学習したことを深めるときに、
古文×漫画×まちがいさがしは大変有効ですので、
オススメです。
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