バカだって風邪をひく
夜に服用する薬を飲み忘れた。
多分、旅行の疲れもあったのかもしれないが、食後に飲むことをすっかりと忘れてしまって、そのまま布団に入って寝てしまった。
すると翌日、面白いくらいに体調が悪くなっていた。
起きて数時間、頭が回らないことは慣れっこだったのでいいのだが、高熱と、下痢に悩まされた。
肩をはじめ全身の筋肉が痛い。
普段通り近くのカフェに行くのだけど、どれだけ座っていても、何もやる気が起きない。そもそも座っているの辛い。
これはダメだと思い、家に戻って体温を測る。
インフルに罹ったか、そう思った。
37.4度、微熱だった。
インフルではないらしい。
だけどその一日、食事を取るのも、水を飲むことさえ面倒になってしまい、布団にくるまって時間だけを潰していた。
夕方、どうしてもタバコが吸いたくなって外に出る。
次引っ越すなら、絶対に室内喫煙可にしてやる。
旅行中、ジャンプを読むのを忘れていたので、近くのコンビニまで歩く。
たかだか200メートル程度の距離なのに、遥か先のように感じる。
だるさとふらつきで腰が曲がる。なんだか、自分がガラケーになったような気分だ。
ウィダーインゼリーとジャンプを買って家に戻る。
そこからは、ひたすらに布団で寝ていた。
医者から、何度か血中濃度という単語を聞いた気がする。
薬が体内に入り、排出されるまでの時間。
その時間内に、薬の成分がどれだけ血液の中に残っているかの数値だろう。
僕は薬を飲み忘れたことで、抗うつ薬の血中濃度が極端に下がったのかもしれない。
自分が改めて、病人だと気付かされた。
毎月、バカにならない診察代と薬代を払わされているが、用法、用量を守らないとこういう目に遭う。
文字通り、身を以て体感したわけだ。
以前、友人に「健康でいるのもコストがかかるよね」そんな冗談を吐いたことがある。
すると、友人には「健康じゃないからコストがかかってるんだよ」そう言い返されてしまった。
こりゃ一本取られたな、そう思ったが、まさにその通りだ。
一回健康を損ねてしまったら、お金以上に、薬を飲み忘れないこと、規則正しい生活など、気にかけるべきコストが発生する。
今日は、相変わらず午前中は調子が悪かったが、昼からはいつも通り活動することができた。
体の痛みや、下痢からも解放されていた。
なぜだろうか、抗うつ薬が効いていたのか、それとも、本当に単なる風邪だったのか。
オチのない話になってしまったが、健康のことばっかり考える日が多くなった気がする。
僕が年を取ってしまったせいもあるかもしれないが。
ああもう読んでくれただけで嬉しいです。 最後まで見てくださってありがとうございました!